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教育の目的再考 の商品レビュー

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2014/11/04

創造性を摘んでしまう暗記中心の教育を批判し、教育と研究のあるべき姿を論じた本です。 著者の印象論に終始しており、現在の教育を取り巻く社会的環境への視点も欠けています。著者は、東北大学の総長を務めて大学行政にたずさわってきた経歴の持ち主ですが、専門は教育学ではなく工学とのことで、...

創造性を摘んでしまう暗記中心の教育を批判し、教育と研究のあるべき姿を論じた本です。 著者の印象論に終始しており、現在の教育を取り巻く社会的環境への視点も欠けています。著者は、東北大学の総長を務めて大学行政にたずさわってきた経歴の持ち主ですが、専門は教育学ではなく工学とのことで、あまり教育問題の実態に通じていないように思います。 あと、アメリカの有名な章をもらえそうになったのに、創造性のない同業者による妨害を受けたとか、若い研究者が大学教授になる頃には、「少しは太ったソクラテスになって、高級車にでも乗って走り廻ってバリバリと世界最高の仕事をし」てほしいといった言葉が見られるのが気にかかります。どうでも良い話だとは言いませんが、真剣に教育の問題と向き合っている読者は、呑気な議論だと思ってしまうかもしれません。

Posted byブクログ