アナザー修学旅行 の商品レビュー
その時、そのメンバーだから持ちえた距離感とか空気感ってあるよなー。続きがありそうだけど書かれることない、ミステリーなら伏線か?と思ってしまいそうなエピソードなんかもここなら納得しちゃったり。 なんとなく懐かしい読後感も良く、おもしろかったなー。
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実は図書館で三回借りています。 しかも、読めずにです……。 なぜなら 最初にほぼすべての登場人物が出てくるのですが、 だんだんついていけなくて、途中でやめちゃうんです。 で。今回、四回目。 まだあやふやなまま、とにかく読み進めてみることにしたんです。 そしたらやっとついて...
実は図書館で三回借りています。 しかも、読めずにです……。 なぜなら 最初にほぼすべての登場人物が出てくるのですが、 だんだんついていけなくて、途中でやめちゃうんです。 で。今回、四回目。 まだあやふやなまま、とにかく読み進めてみることにしたんです。 そしたらやっとついて行けて。笑 そしたらそしたら とんでもなく面白いお話だったんです! 舞台はほぼ校内、 登場人物もほぼ同時に登場する中で パズルのように組み合わさるストーリー。 おもわず、ぷっと吹き出すシーンもありです。 読み終えたあと 登場人物たちと一緒に、三日間をすごせたような気がして、さわやかな余韻が残ります。 本当におすすめです。
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色んな都合で修学旅行に行けなかった7人の、その3日間の学校で過ごしたエピソードが脚を折って行けなかった女子目線で語られる。残った7人が、こんなメンバー有り得ないっていう(女優いたりとか)のと、なにも終わらずにお話が終わってしまったことを除けば、とても面白かった。 図書館的には途中...
色んな都合で修学旅行に行けなかった7人の、その3日間の学校で過ごしたエピソードが脚を折って行けなかった女子目線で語られる。残った7人が、こんなメンバー有り得ないっていう(女優いたりとか)のと、なにも終わらずにお話が終わってしまったことを除けば、とても面白かった。 図書館的には途中チンコの大小の著述あるくらいで、小学校でも問題ないかな。主人公の、女の子の語り言葉で綴られているので、小中学生には読みやすいと思う。
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恋愛感情と友情の狭間で悩んだり(深刻なものではなく、友達が好きな男子と仲良くするとまずい、といった思春期独特のもの)、自分がどう見られているかで葛藤したり、半径1kmくらいのところで真剣に悩む中学生がよく描けている。10年前の作品だからLINEはないが、古い感じはしない。 諸事情...
恋愛感情と友情の狭間で悩んだり(深刻なものではなく、友達が好きな男子と仲良くするとまずい、といった思春期独特のもの)、自分がどう見られているかで葛藤したり、半径1kmくらいのところで真剣に悩む中学生がよく描けている。10年前の作品だからLINEはないが、古い感じはしない。 諸事情で修学旅行に行けなかった(行かなかった)中3の7人の個性がよく描けている。岸本さんと湯川さんという、半径1km以上のところで生きている人物がいるおかげで、物語の風通しが良くなり、爽やかな印象となっている。岸本さんと湯川さんは、最初一人の人物だったのを、物語の構成を考えて2人にした、という感じはするが。田舎の公立中学に芸能人がいるというのはちょっと無理があるかと。 児童養護施設の子どもが修学旅行に行けないなんてことがあるのか?という疑問は残るし、家族のことがあまり出てこないことも、物足りない気もするけど、中学生の心情描写は巧みだし、上手くまとまっていて、読みやすく、後味も良く、あまり本を読まない子どもにもすすめやすい。 私は単行本で読んだが、あまり読まない子どもには青い鳥文庫版のマンガ的な絵がついている方が魅力的に見えるだろう。でも、内容にはこちらの装丁の方が合っていると思う。(あんなにみんなイケてたら悩まないよ、ホント)
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【内容】中学三年生の修学旅行にそれぞれの事情で行くことができなかった六人は学校に出てきて特別授業を受けていた。殆ど接点のなかった連中に生まれてくる絆。 【感想】この絆はいっとき限りのもので日常が戻ってきたら雲散霧消してしまうはかないものだろう。それでもなにか後々いいものが残ってい...
【内容】中学三年生の修学旅行にそれぞれの事情で行くことができなかった六人は学校に出てきて特別授業を受けていた。殆ど接点のなかった連中に生まれてくる絆。 【感想】この絆はいっとき限りのもので日常が戻ってきたら雲散霧消してしまうはかないものだろう。それでもなにか後々いいものが残っているのだろう。 ▼居残り組についての簡単なメモ 【秋吉直人】保健室登校の生徒。六人と同じ扱いではないが学校に来てはいる。心因性嘔吐症とかで緊張すると吐くので残酷にもゲロトと呼ばれている。 【安藤】居残り組の面倒を見てる先生。二年の理科担当。テニス部の副顧問。 【小田知也】三組。キラキラした少年。お調子者のムードメーカー。陸上部。女の子に人気がある。「ホーム」にいる。経済的問題で修学旅行に不参加。 【片瀬幸博】四組。通称インテリヤクザ。メガネの奥の目つきは鋭い。兄二人は伝説のヤンキー。成績はよい。ケンカ?で修学旅行に不参加。狂暴な性格というのではなくどちらかと言えばクールかつ暴力を振るう必要があると思われたときにはためらわない。誰にもおもねることのないタイプ。 【岸本雅】二組。テレビでよく見かける主役級の女優。凄く美少女ってわけでもないところがいい。混乱を避けるため修学旅行に不参加。勝ち気なゆえ誘導されやすい。 【野宮千里】二組。小さくて華奢。合唱部。いい人。ふんわり癒し系。小田と同じく「ホーム」にいて、どうやらお姉さんの役まわり。経済的問題で修学旅行に不参加。 【三浦佐和子】三組。語り手。テニス部。足に怪我して修学旅行欠席。ありふれた自分がけっこう好き。 【湯川仁希】五組。クールな美少女転校生。美少女すぎて皆が敬遠している。実はわりと気さくで大雑把。興味がないからと修学旅行に不参加。母親は写真家の湯川安理/あんり。誰にもおもねることのないタイプ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
さまざまな理由で修学旅行に行けない児童7人の学校で過ごす3日間。 芸能人で勝気な岸本さん。 成績優秀で喧嘩っ早い片瀬。 児童養護施設から通学している小田と野宮さん。 転校生で自分の美少女には無頓着の不思議な湯川さん。 保健室登校のすぐ吐いてしまう秋吉。 骨折して松葉杖を使う、ふつーの私、三浦佐和子。 普段の学校生活で接点のない7人が、いつもとは違う3日間で互いのことを知っていく様子。 164ページで唐突に、会社で嫌がらせにあって疲弊して 退職した姉への思いが書かれていて、そこが印象的。 もし誰かに気に入ってもらえなくて世界が台なしになるんだったら、お姉ちゃんみたいに我慢しないで、マッハで逃げよう。っていうのが良かった。 おもしろかった。 30代じゃなくて、10代で読みたかった。 中学生たちのギャグセンスの高さのある会話もテンポよく、楽しげ。青春。
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修学旅行に置いていかれた7人の、すごく微妙な、仲間になりそうでならない3日間を描いた物語。いちおう事件らしいことがひとつ起こりはするんだけど、それをなかったことにして抹殺するのがすごいよね。大人なんか信じてないし、真正面からとりあげて騒いでもなにひとついいことなんかないって思って...
修学旅行に置いていかれた7人の、すごく微妙な、仲間になりそうでならない3日間を描いた物語。いちおう事件らしいことがひとつ起こりはするんだけど、それをなかったことにして抹殺するのがすごいよね。大人なんか信じてないし、真正面からとりあげて騒いでもなにひとついいことなんかないって思っているんだ。 2日めに「人見知りしなおした」というのと、3日めがおわるときの「結構しゃべって、結構一緒に笑ったけど、私たちは今も、たぶん、友達じゃない」っていう感慨のリアルさ。 のこり10ページになってから始まる野宮さんの深い話とか。 有名写真家の母親のモデルをつとめる湯川さんの話とかもほとんど深まっていないし、いろいろ積み残しているんだけど、そこがまたリアルだったりもする。 こっちがデビュー作なんだね。で、もう一作が『かさねちゃんにきいてみな』。いや~、たのみますからもっと書いてください。もっと読みたいよ。
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導入から、すっと入れて、サクサク読める物語。 中3の女の子の、独り言みたいな文章で、気軽に読み進められて、学校図書館向けかも。
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いい話ではあるのだが、ちょっと帰国子女の不思議ちゃんが生かしきれていないと感じた。彼女が何か事件を巻き起こすかと思いきや、最後まで脇役で終わったのには拍子抜け。 不良くんもいまいちではあった。もっとその屈折具合を深堀出来たはず。でもまあ、面白い物語ではある・
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有沢佳映さんの「アナザー修学旅行」を読了。あまりに寒く、居酒屋に寄るのも面倒になり家で一人飯。昨日から読み始めたのだが、250ページも重いお話ではないのであっという間に読み終えた。それぞれ色々な理由から修学旅行に行けなかった7人が3日間を学校で過ごす様子を一人の女子の視点から描い...
有沢佳映さんの「アナザー修学旅行」を読了。あまりに寒く、居酒屋に寄るのも面倒になり家で一人飯。昨日から読み始めたのだが、250ページも重いお話ではないのであっという間に読み終えた。それぞれ色々な理由から修学旅行に行けなかった7人が3日間を学校で過ごす様子を一人の女子の視点から描いた作品で、会話や主人公のモノローグが非常にナチュラルですっと心に入ってくる。この力が入っていないようで非常に自然な感じの会話を書き付ける事が出来ているのが作者のちからだろう。中学生の頃の自分がどう感じていたかなどとうに忘れ去ってしまったが、この作品の会話を読んでいるとどの時代の中学生も話題は違えど揺れうごくあまりに脆い心の様は変わらないだろうと思わされるし、そんな脆さがじつは人から見えないように意地を張って行きているのが中学生なのかなあなどとも感じた。爽やかな3日間の学校でのいつもと違う人たちとの爽やか触れ合いがみんなを結びつけて行くまさにアナザー修学旅行のお話を読むBGMに選んだのがSimon&Garfunkelの"卒業ーサウンドトラック”。聴いていて一生懸命彼らの詞を翻訳していた自分を思い出した。
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