ランダウの生涯 ノーベル賞科学者の知と愛 新装版 の商品レビュー

マイヤ・ヤコヴレヴナ・ベサラプ(著者),金光不二夫(著者)

2022/12/02

・p.44 『私が問題にしているのは，積分ができるかどうかだ．数学的叙情詩には興味はないのだ』p.178『理論物理学者にとっては，まず数学の知識が必要です．しかも必要なのは，やたらに多い数学のあらゆる定理ではなく，数学のテクニック，つまり具体的な数学の問題を解く能力です．...正しく微分したり，積分したり，あるいは微分方程式を解くことをまず学ぶことです．ベクトル解析とテンソル解析学(つまりテンソルを使う能力)を勉強してください．この勉強では，教科書ではなく，問題集ーどんなものでもよいが，ただし問題がたくさん載っているものーが主要な役割を演じます．』
・p.77 『人生でたいせつなことは真理だ．真理のためには，人間は自分自身にきびしくなければならない．真理と労働．これが一番だいじなことだ．きみたちに与えられた時間を些細な，つまらないことに費やさないように気をつけたまえ』
・『何かがうまくいかず，書き損じの紙が山のようになったとき，ランダウはアインシュタインの言葉を思い出す．『われわれの研究に必要なのは二つの条件である．一つは疲れを知らぬ忍耐力，そして，どれほどたくさんの時間と労力を費やした仕事でも，いつでもそれを捨てることができる心構えである』』
・p.116『すべての人に当てはまる研究時間をきめることは，非常に困難なことです．...より努力するにこしたことはありません．しかし，もちろんぶっ通しで学問をやることはできません．休息が必要です．学生時代，私は，夜になって公式を夢にみるくらい勉強はしましたが…』
・p.116『学問で成果をあげることです．人間は自分の好みにぴったりした仕事に全力を尽くさねばなりません．多くの分野では，自分の専門に対して特別な愛情を傾けていなくても，優れた専門家になれるでしょう．しかし，こと科学や芸術の分野では，もし情熱がなければ，優れた専門家にはなれないでしょう．』
・p.116『研究者というものは，複雑な現象の基礎になっている自然法則の真の簡単さをあばく義務があるのだから』