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イヴ・モンタン ある男の歌 の商品レビュー

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2019/04/20

1981年、イヴ・モンタンが13年の沈黙を破つてオランピア劇場に立つた時、世界中の注目を浴びたのであります。便乗して関連図書も多く出ましたが、中でも本書は本格評伝として出色のものと申せませう。 400ペイジ超の大作力作。1800円。 32年前に1800円する本といへば、専門書を除...

1981年、イヴ・モンタンが13年の沈黙を破つてオランピア劇場に立つた時、世界中の注目を浴びたのであります。便乗して関連図書も多く出ましたが、中でも本書は本格評伝として出色のものと申せませう。 400ペイジ超の大作力作。1800円。 32年前に1800円する本といへば、専門書を除くとあまりありませんでした。まあ早川書房は全般に定価を高目に設定してゐましたが。 序盤で彼の生ひ立ちを手際よく紹介し、その後のシャンソン歌手、映画俳優、社会活動家としてのそれぞれの面を考察してゐます。 還暦(当時)を迎へ、なほ世界の人々を魅了するイヴ・モンタンとはいかなる人間性を持つ存在なのか、夥しい数の人々から証言を得てゐます。 訳者の長塚隆二氏も述べてゐますが、今では俳優としてのモンタンに魅力を感ずる人が多いやうですね。彼のシャンソンはレコードではなく、ステージ上にてその真価を発揮するといはれてゐます。「目で見て愉しむシャンソン」と呼ばれる所以であります。さういへば、初期には「手で歌ふ男」などとも称されてゐました。 わたくしが愚考しますに、やはり映画の方により深みを感じるのであります。 『Z』なんて最高でしたね。出番は前半だけでしたが。初期の『恐怖の報酬』は、優れたサスペンス映画で、多くの亜流を生みました。 本書の難点は、入手が容易ではない、といふことでせうか…… http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-75.html

Posted byブクログ