物理学は越境する ゲノムへの道 の商品レビュー
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2005年刊。著者は東京大学名誉教授。 お茶ノ水女子大学助教授から東京大学講師への格落ち(個人的にはよく判らないが、そういうことのよう)も厭わず、自ら望ましい研究環境を求めた生物物理学のパイオニアの一。 その特異な人物の自叙伝だが、研究内容の詳述というより、自分を取り巻く人間関係を密に描写するので、生物物理学の進展や著者の研究の具体的内容を語る書ではない。 むしろ本書で印象深いのは、①ゲノム解析に有益な高速自動解読装置の国産開発が挫折したこと、②ゲノム解読や脳科学との関連分野進出に対する米国の横槍である。 そして、①に対しては日本の研究風土・文科省や経産省の予算組みへの慨嘆と批判、②については、国益と断じたテーマに関しては、徹底的な支援を行う米国の怖さと日本の弱腰が見て取れる(貿易摩擦が日米間で問題となり対米融和が求められていた時期、逆に言えば日本の経済力が米に対抗できた時期でもあるが)。
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再読。バイト先の予備校で、高校生にオススメの本を選べと言われたのでこの本にしようと思い読み直した。私が将来生物物理を勉強したいと思う直接のきっかけになった本。とてもロマンがあってワクワクする文章だ。
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