ソロスの講義禄 の商品レビュー
Wed, 13 Oct 2010 ジョージ・ソロスは超有名な投資家. 悪名高い面もあるが,昔 哲学者になりたかったということもあり, なかなか思想的に面白い面がある. 実は あのカール・ポパーが大学での指導教官だったというのが,面白い! ジョージ・ソロスの大学での講義をま...
Wed, 13 Oct 2010 ジョージ・ソロスは超有名な投資家. 悪名高い面もあるが,昔 哲学者になりたかったということもあり, なかなか思想的に面白い面がある. 実は あのカール・ポパーが大学での指導教官だったというのが,面白い! ジョージ・ソロスの大学での講義をまとめたものだけど さくっというと 複雑系経済学の本です. その内容的には,実務からしからぬ学術的に,けっこうセンスのいい内容. もちろん,学術的な厳密さに欠ける点もあるんだけど 「再帰性の原理」は人間の行動についての重要な示唆を含んでいる. 人間の意思決定は,意味づけにしたがって行われるし, 真の事実に基づいてうごくわけではない. 僕ら自身のあたりまえの感覚からボトムアップに構築すると 経済・市場の動きはどうなるか? ということが,ジョージ・ソロスの再帰性の原理で とても,自然な議論だ. 個人的には 面白かったので,一読をおすすめしたい.
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ソロス氏が彼の思想とアメリカの現状、未来について語った本。 訳者前書きにも書かれている通り、この本は講義の形をとっているためか、ソロス氏の再帰性、開かれた社会といった思想が(ソロス氏の他の著作に比べて)わかりやすく述べられている。また、世界経済についてのソロス氏の分析も知ることが出来、初めてソロス氏の思想にふれるという方にはとてもすすめられる本だと思う。ただ、アメリカの政治の現状に対する提言は国民が政治に対する意識を持つべきだという、解決策とは言えないようなものでこの点についてはすこしがっかりさせられた。
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ソロスの講義を文章に起こした一冊。哲学者の一面があるソロスの考え方や、自ら書いた本は内容が非常に難しいので、この本で入門しておかないと理解できない。
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本書の中でソロス自身が、「哲学者になりそこねた人間の悪あがきのような講義だけども」と、いうことを言っていたが、そんな感じの本。
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金融投資家として知られる、ジョージ・ソロス氏の中央アジア大学での講義をまとめた本。 1930年ハンガリー生まれ(81歳?)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス卒。 2010年6月初版。189ページ。 訳が上手いのか、そもそもソロスの話が分かりやすいのか、日本語的な部分での読みにくさが少ない。(訳:徳川家広) 金融投資家として有名だが、哲学者カール・ポパーに師事している通り、 科学論的な見地から、社会科学全般を把握しようとする視点が印象的。 第一講義では、「可謬性」と「再帰性」という概念を使って、 経済学をはじめとする従来の社会科学の欺瞞的な視点を否定している。 この章は、哲学的な話ばかりなので、やや理解しにくい。 大学時代に受講した「科学論」の講義を思い出した…。 しかし、難しい語彙と難しい表現をしているが、簡単に言ってしまえば、ごく当たり前のことしか言っていない。 問題は、これまでの社会科学がその当たり前を無視したところで、「科学」と認められてきたことであり、その点を否定したいというのが主張。 第二講義以降では、この視点に基づいて、従来の金融・経済理論を否定し、 現実を正確に理解するための、新しいパラダイムと理論的な枠組みが必要だと主張。 より具体的には、現在の国際金融市場は放任主義が過度に進んでおり、 政府によるコントロールがないため暴走し、 その結果としてのバブル崩壊で壊れてしまっており、 これを、従来とは違った形で再構築しなければならないという話。 これまでに読んだ浜先生や、榊原氏などの話とも通じるところがある。 どの著者についても言えるが、 結論として、アメリカの世界金融市場における地位の低下、 中国の地位の向上、 その現実を直視した上でのシステムの再構築。 話が哲学的・概念的なので、なかなか理解が難しかったが、 表面的な現象だけでなく、 「社会科学とはいかにあるべきか」という点から議論を始めた結果として、 その背後にある社会の変容について結論付けているので、 議論が深いと思った。 とはいえ、全て理解できなかったので、再度読み込んで理解したい。
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経済学の本として、クーリエ・ジャポンで薦められていたので、読んでみたら、どちらかといえば哲学と政治経済の本でした。 それゆえ、というべきか、とても分かり易くて面白い本でした。 ソロスさんが引用するのポパーやヘーゲル、マルクス、フロイト、ケインズ、フリードマン、とメインストリームな...
経済学の本として、クーリエ・ジャポンで薦められていたので、読んでみたら、どちらかといえば哲学と政治経済の本でした。 それゆえ、というべきか、とても分かり易くて面白い本でした。 ソロスさんが引用するのポパーやヘーゲル、マルクス、フロイト、ケインズ、フリードマン、とメインストリームなので、考え方を追いやすいし、わからない専門用語も脚注が下についているのですぐに参照できて、読みやすいです。 今まで出会えなかったのは、投資家、ということで、やはり学問のメインストリームに乗っていなかったから、引用・参照・比較検討・反論されて来なかったというだけなのかもしれません。 この本のおかげで私もポストモダニズムの混沌から抜け出し、少し大人になれそうな気がしました。
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哲学者になりたかった男 ソロスが、 リーマンショックを預言的にとらえた考え方を披露。 全てを掴みきれたわけではないが、 いわんとすることが何となく見えた気がした。 一言で言えば、歪んだ認識が、歪んだ状況を生む。 まとめると『哲学者 世界を象る 枠みつけ』といったところでしょうか?
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f(現実) → 認識 f(認識) → 現実 よって再帰的なフィードバックループが起こる。そういう話。 市場がファンダメンタルズと近い値を示すのは市場が優れた物差しだからではなく、単に市場がファンダメンタルズに影響を与えているから。言われてみれば当たり前のように思えるんだけど、言...
f(現実) → 認識 f(認識) → 現実 よって再帰的なフィードバックループが起こる。そういう話。 市場がファンダメンタルズと近い値を示すのは市場が優れた物差しだからではなく、単に市場がファンダメンタルズに影響を与えているから。言われてみれば当たり前のように思えるんだけど、言われてみるまで思いもよらなかった。
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まず、「ブラックスワン」との類似性に軽い驚きを持った。 「私たちの住む世界の複雑さは、私たちの理解力を超えている」 「科学的法則はその本質において仮説です。法則の真実性は決して証明できず、ただ検証によって反証されるだけなのです。」 まさにブラックスワン的世界認識だ。 その...
まず、「ブラックスワン」との類似性に軽い驚きを持った。 「私たちの住む世界の複雑さは、私たちの理解力を超えている」 「科学的法則はその本質において仮説です。法則の真実性は決して証明できず、ただ検証によって反証されるだけなのです。」 まさにブラックスワン的世界認識だ。 その誤謬性を前提として、道徳の必要性を説くとともに、市場原理主義を嫌悪する。 「市場原理主義に対する私なりの定義は、『市場価値による、他の社会生活、特に政治への不当な審判』というものです。」 「経済理論を学べば、利己心や利潤動機を道徳的に承認したくなってきます。利己心でもって正直、誠実、他者への配慮などと置き換えてもよいような気持ちになってきます。」 解決方法として、市場参加者としての役割と有権者としての役割の区別が必要という。 「市場の参加者としては利己的でかまいませんが、有権者としては公共の利益に導かれるべきなのです。」 最終講義でリーマンショック後の二番底とアメリカの凋落、中国の台頭を予見し、新しい世界秩序の必要性をとく。
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