伏龍 の商品レビュー
機雷を抱いて敵に突っ込む特攻隊・伏龍。それを担うのは15歳の少年たち。特攻隊になれたことに喜びを感じる一方、訓練で命を落としていく仲間たち。死を身近に感じるようになって死そのものに恐怖を感じるようになる。戦争そのものに疑問を感じるようになり、物資不足のせいか、そもそもの特攻のやり...
機雷を抱いて敵に突っ込む特攻隊・伏龍。それを担うのは15歳の少年たち。特攻隊になれたことに喜びを感じる一方、訓練で命を落としていく仲間たち。死を身近に感じるようになって死そのものに恐怖を感じるようになる。戦争そのものに疑問を感じるようになり、物資不足のせいか、そもそもの特攻のやり方がおかしいのか事故死も絶えない。何故10代の少年たちがこのような思いをしなければならないのか。それが戦争だからだ。戦争だからと夢め希望も諦めなければはらない。暗い海の底で事故が起こるシーンは読んでいるこちらまでもが苦しくなる。こんなことが現実にあったなんて…
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第二次世界大戦末期、潜水服に身を包み、竹竿の先端に付けた機雷を携え特攻に挑もうとした部隊が存在した…。この伏龍特攻隊は終戦間近の切羽詰まった状況下に編成されたため実戦には投入されず訓練のみで終わる。しかし少年兵たち(予科練落ちのどちらかといえば落ちこぼれ組)は潜水服の設計ミスとし...
第二次世界大戦末期、潜水服に身を包み、竹竿の先端に付けた機雷を携え特攻に挑もうとした部隊が存在した…。この伏龍特攻隊は終戦間近の切羽詰まった状況下に編成されたため実戦には投入されず訓練のみで終わる。しかし少年兵たち(予科練落ちのどちらかといえば落ちこぼれ組)は潜水服の設計ミスとしか思えない仕様による炭酸ガス中毒などで次々と訓練中に事故死してゆく。当初華々しく散ってゆくことを思い描き志願したものたちも目の当たりにする仲間の死や、不条理すぎる状況に特攻に対する思いが揺らぎはじめる。若干15歳の主人公が死と隣り合わせの日々の中で、戦争、国、家族、生、性、などについて思いを巡らせ成長してゆくさまは思春期の危うさも手伝い甘酸っぱく切ない。映画化希望。
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