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バチカン・シークレット の商品レビュー

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2017/08/17

タイトル・副題だけだと陰謀史観の書のように感じるが、著者が 元バチカン担当の記者だけあっていたって真面目なバチカン近現 代史である。 ムッソリーニよって承認されたバチカン市国は、近現代史のなかで 保守派と進歩派の間であわや分裂の危機が訪れたりしているところは、 やはりひとつの国...

タイトル・副題だけだと陰謀史観の書のように感じるが、著者が 元バチカン担当の記者だけあっていたって真面目なバチカン近現 代史である。 ムッソリーニよって承認されたバチカン市国は、近現代史のなかで 保守派と進歩派の間であわや分裂の危機が訪れたりしているところは、 やはりひとつの国家であることを痛感する。 興味深い話ばかりだが、なかでもその真偽が未だに謎であるトリノの 聖骸布の話は面白い。炭素14による検査では中世に作られた偽物で あるとの結果が出たが、その布にはキリストの年代の文字が書かれ ている。 キリストの遺骸を包んだと言われるこの布は、果たして本物なの か否か。偽物としたところで、布に残された血痕や傷の跡が、 処刑されたキリストの体の位置とすべて一致するなんてありえるのか。 キリスト者ではなくとも、興味をそそられるテーマである。 尚、本書では映画「ダ・ヴィンチ・コード」に登場したキリスト教の 一派オプス・デイの成立過程や、同じく映画「ゴッド・ファーザー3」 でモチーフにされた銀行頭取の不審な死も取り上げられている。 個人的には親ナチスであったとされるピオ12世への誤解が解けて よかった。 本書はカトリックの歴史を知るとっかかりとしていいのではないか。

Posted byブクログ