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変革の時代、その経済的基礎 日本資本主義の現段階をどうみるか の商品レビュー

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2010/08/02

サブタイトルに、日本資本主義の現段階をどうみるか 1868−1945−2010とある。 つまり、明治維新ムアジア太平洋戦争の敗戦ム不況の今日という長い歴史的な期間で、日本資本主義の状態を捉えた叙述。  これによれば、日本資本主義社会は歴史的変革期にある、という。  端的に云えば...

サブタイトルに、日本資本主義の現段階をどうみるか 1868−1945−2010とある。 つまり、明治維新ムアジア太平洋戦争の敗戦ム不況の今日という長い歴史的な期間で、日本資本主義の状態を捉えた叙述。  これによれば、日本資本主義社会は歴史的変革期にある、という。  端的に云えば,日本経済もアメリカも最終末期を迎えつつある,ということだろう。 そのひとつの現れが,自民・公明政権の崩壊と民主+小政党の連合政権の成立と迷走ということ。  著者は「世界史的視野で,時代認識をもつことが必要である」としているが、その立場で現在の日本の矛盾を次のように列挙する。 1) 財界・大企業と労働者・国民との激しい矛盾ム労働者・国民の貧困化の新しい段階 2) 戦後の日米関係を規定して来た国際情勢の変化,対米従属を続けることの限界 3) 巨大企業による「身の丈を超えた急成長」の破綻ム資本蓄積の限界 4) 輸出主導型蓄積・再生産構造の行き詰まり,その「なし崩し的再編」の限界 5) 戦後日本の支配体制を支えて来た国家財政の危機 6) 政治的経済的支配を支えて来た社会的仕組みの危機 そして、これらの危機の根源は「対米従属と財界・大企業の支配」にあるとする。  21世紀の変革は,全世界的歴史的視野で,日本の対米従属と財界・大企業支配を新しいシステムに変えるそれをさす。  それに向けて,世界的な視野をもつ国民的な運動が前提であり必要と。  「時代の閉塞感」を打ち破る提言。

Posted byブクログ