にっぽん製 の商品レビュー
一流デザイナーの美子と柔道五段の正との恋愛を描くことで、新旧の日本の価値観の対立と融和を描いた作品。 ……ということらしいが、そんなことは別に考えずともすらすら読める、エンターテインメント色の濃い作品。 全体の雰囲気は明るく、どの人物もくせがあるが憎めなくてよかった。 ラストの台...
一流デザイナーの美子と柔道五段の正との恋愛を描くことで、新旧の日本の価値観の対立と融和を描いた作品。 ……ということらしいが、そんなことは別に考えずともすらすら読める、エンターテインメント色の濃い作品。 全体の雰囲気は明るく、どの人物もくせがあるが憎めなくてよかった。 ラストの台詞はどうとればいいのか悩んだが、考えてみればそんな深いテーマの作品でもない。 感じたままに苦笑を浮かべておけばそれでいいのだろう。
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2人の日本人を乗せたパリからの飛行機が羽田に降り立った。わがままなフランスの老婦人の隣に座ったばかりに、機中その面倒をみることになったファッションデザイナーの春原美子と、そんな美子に一目惚れした若き柔道家、栗原正。しかし美子には、金杉というパトロンがいて・・・・。戦後間もない日本...
2人の日本人を乗せたパリからの飛行機が羽田に降り立った。わがままなフランスの老婦人の隣に座ったばかりに、機中その面倒をみることになったファッションデザイナーの春原美子と、そんな美子に一目惚れした若き柔道家、栗原正。しかし美子には、金杉というパトロンがいて・・・・。戦後間もない日本が直面した、伝統と新たな価値観のせめぎ合いを背景に、28歳の三島が描き出す2人の恋の行方。(裏表紙より一部引用) 三島由紀夫っぽい、しゃれおつーで美しい恋愛もの! 恋愛小説だったからちょっと退屈でしたw←わかってて読んだんだけれども・・・ ああ、この二人くっつくんだろうなあ、とか、結構先が見えてるんだけど、描写の美しさから結局最後まで読んでしまうパターンです。 面白かったのは、田中優子さんの解説。 この作品は、美と正義、繊維と鉄、ヨーロッパと日本という対照性を軸にしてるそうな。 結局、何が「にっぽん製」なのかという理解に関しては、概ねこの田中さんの意見(=正の身体)に賛同なんだけれど、私としては「身体」だけじゃなくて正の内面的な部分も「にっぽん製」なのではないかと思います。 大衆的な恋愛小説で、普通に面白かったんですが、特に印象に残ったわけでもないので☆3つで。
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非現実的でアナクロで軽い恋愛小説でした。重厚かつ流麗な文章が売りの三島由紀夫にしては妙に軽薄な文体で、誰の著作か知らなければ、「誰だこのけったいな恋愛小説を書いたやつは?」という感想を抱いたことでしょう。まさに異色作という言葉がぴったり。三島由紀夫という名前を通して理解するからこ...
非現実的でアナクロで軽い恋愛小説でした。重厚かつ流麗な文章が売りの三島由紀夫にしては妙に軽薄な文体で、誰の著作か知らなければ、「誰だこのけったいな恋愛小説を書いたやつは?」という感想を抱いたことでしょう。まさに異色作という言葉がぴったり。三島由紀夫という名前を通して理解するからこそ意味がある本だと思います。
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