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シンガポール脱出 の商品レビュー

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2016/05/22

濃い真っ黒な煙が、死にかけた街をすっぽりつつんでいた。で始まる物語は、その行く末を表すように陰鬱なシンガポ-ルから始まる。幼い戦争孤児となったポ-ル、その子を保護するマレ-人でも中国人でもない20代半ばのほっそりと背の高い驚くほど青い目の看護婦。ファ-ンホルム准将。彼らをの...

濃い真っ黒な煙が、死にかけた街をすっぽりつつんでいた。で始まる物語は、その行く末を表すように陰鬱なシンガポ-ルから始まる。幼い戦争孤児となったポ-ル、その子を保護するマレ-人でも中国人でもない20代半ばのほっそりと背の高い驚くほど青い目の看護婦。ファ-ンホルム准将。彼らをのせてシンガポ-ルを脱出する「ケリ-・ダンサ-号」ファン・エッフェン。そして、出港した船は敵機(日本軍)に攻撃され、沈みつつある。ここまで誰が主人公なのか全くわからない。ブリテイッシュ・アラビア・タンカ-社の首席船長、1万2千トンのモータ-船「ヴィロ-マ号」の船長フランシス・フィンドホ-ンを説得して「ケリ-・ダンサ-号」救出に向かう一等航海士のニコルソン(彼がヒ-ロ-である。)そして、その船も撃沈されてしまう。それから、悪夢のような、救命ボ-トによる逃避が始まる。何か、最初から物語が混乱し、沢山の登場人物があって、読者の私の頭は混乱しっぱなし。最後に謎解きがあって、その時はお話しはおしまい。全く、船酔いになったように読後、フラフラになってしまいました。最後まで付き合った自分に拍手。1958年発表、私が小学一年生ごろの作品。

Posted byブクログ