侠客 の商品レビュー

池波正太郎(著者)

2020/06/04

「幡随院長兵衛」この名前は聞いたことはあるのだが、僕の頭の中の歴史年表には刻まれていないのだが、なぜ記憶が？と辿って行くと歌舞伎にぶつかった。明治１４年に書かれ、２０１９年には海老蔵さんが演じるくらいの有名作！それだけに僕の頭の中にあったんですね。

「侠客」

歴史作家さんを検索すると多くの名前が出てくる山岡先生や司馬先生は僕の中では２０代前半に卒業したのだが、池波先生だけは卒業できない。これほどまでに色褪せない作品を書いた方は池波先生だけのような気がする。

そのせいか、神保町に行くと池波作品はよく見かけるが、チェーン店ではなかなか見つけられない。まぁ～価値がわかってると言えばそれまでなのですが…

江戸時代初期の大名を相手取った敵討ち！大円団で物語が終わることなくそれからはフランスのノワール映画のような男と男の物語が続く。大円団もよかったかもしれないが、その先も面白い。これ比較対象じゃないですけれど明治に書かれた原作を読んでみたいものです。

2013/06/01

幡随院長兵衛！ゾクゾクワクワクしっぱなしで最後まで面白く読んだ！伊太郎改め長兵衛の若年から死に至るまでのお話。最初に幡随院長兵衛に触れたのが歌舞伎からだったからラストのまさかの展開に池波正太郎さんらしいスッキリとした筆の置き方に何度も感嘆のため息をついてしまいました。割合長編にもかかわらずストレス無く読めるのは、池波さん独特の物語の波の作り方と、貫禄の文章構成力なんだろうなー。
良い漢を題材に良い作家が書く。
読んでよかった！