暗い日曜日 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
古いミステリだけれどもほのぼのとしていい。短編集で「暗い日曜日」と「木がらしと街」が仁木雄太郎・悦子兄妹の探偵もの。 やっぱりこういうものを読むと、わたしには一服の清涼剤となる。謎解きなので殺人が絡むのがおだやかではないんだが、それはおいといて、背景が1970年代後半というのが懐かしい。 たとえば「木がらしと街」の中の情景、結婚した悦子が幼子をベビーカーに乗せ、もうひとりの子は歩かせて買い物に出ると 「木がらしが強いせいか、珍しくスモッグがなく、空は真っ青に晴れあがっていた。わたしの住んでいる郊外の世田谷区でさえ、空がこんなに青い色をしている日は珍しいのだ。気持ちがいい、しかしそれだけに風は真冬のように鋭くはだを刺す日だった。」 という描写 が心をとらえる。そうそう、お盆とかお正月の都会は青空がよみがえって嬉かったよね~。 空をおおう黒いスモッグ!もう東京にはない。車の排気ガスは相変わらずあるけれど(光化学スモッグ注意報はあるものね)、むかしのようにすごくない。そのかわり地球温暖化で「はだを刺す風」が鈍っているようだけれども。 今、華々しい(?)スモッグや公害を発生させている中国もやがてこうなるのだろうか? それに買い物はネットで宅配か、車にてまとめ買い。そんなにぞろぞろ歩いてはしていない。むしろおしゃれしてお茶するためにバギーで闊歩している現代風景よ。 だから、思い出に浸りたい高齢者向きミステリか…この本(笑)
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