美学入門 の商品レビュー
写真、映画、絵画、アート、建築とか興味あること全般に関係ありそうだった。 中井正一(なかい まさいち)(1900年1月14日 - 1952年7月11日)は、日本の美学者・評論家・思想家であり、特に戦前から戦後にかけて活躍しました。彼の思想は、芸術と社会、民主主義の結びつきを重視...
写真、映画、絵画、アート、建築とか興味あること全般に関係ありそうだった。 中井正一(なかい まさいち)(1900年1月14日 - 1952年7月11日)は、日本の美学者・評論家・思想家であり、特に戦前から戦後にかけて活躍しました。彼の思想は、芸術と社会、民主主義の結びつきを重視し、文化や芸術を通じた人間解放を訴えた点で特徴的です。 生涯 1. 幼少期と学び • 中井正一は奈良県生まれ。幼少期から文学や美術に興味を持ちました。 • 京都帝国大学で美学を専攻し、西田幾多郎の哲学やマルクス主義に影響を受けました。 2. 文化運動への関与 • 卒業後、京都で「京都学連事件」に関与し、社会主義運動に参加。その後、逮捕・拘留される経験を持ちます。 • この経験をきっかけに、芸術や思想を通じた社会改革に関心を深めました。 3. 戦時下と戦後の活動 • 戦時中は創作活動を続けながらも、思想の自由が制限されました。 • 戦後は民主主義的な文化運動の中心人物となり、特に日本文化会議などで活躍しました。 思想と主張 中井正一の思想は、芸術や文化を人間解放の手段として捉えた点で特徴的です。 1. 美学と芸術論 • 中井は、美術や文学を特権的なものとしてではなく、すべての人々が共有できるものと捉えました。 • 芸術が持つ社会的役割に注目し、特に「民主主義的な芸術」を主張しました。 2. 共同性とコミュニケーション • 彼の思想の核心は、「共同性」にあります。 • 個人の内面的な表現としての芸術ではなく、人々が共に理解し、共有できる表現を重視。 • 芸術や文化は社会を変革する力を持つと考えました。 3. 「壁の思想」 • 中井の代表的なエッセイ「『壁』 — その構造と崩壊について」(1936年)は有名です。 • 壁は、個人を孤立させ、共同体から切り離す存在と考えられました。 • この壁を崩すことが、自由で平等な社会を築く鍵であると論じています。 代表的な著作 1. 『美学入門』 • 美術や美学の基礎を平易な文章で解説し、広く読まれました。 2. 『『壁』 — その構造と崩壊について』 • 中井の代表的な思想エッセイ。社会的孤立や疎外感を壁として象徴し、その克服を提言。 3. 『美の論理』 • 美学と社会との関係を哲学的に論じた著作。 中井正一の意義 1. 芸術と民主主義の結合 • 中井は、芸術を少数のためのものではなく、大衆が参加し、共有できるものと考えました。彼の思想は、戦後日本の民主主義的な文化運動に大きな影響を与えました。 2. 思想家としての先駆性 • 戦前から戦後にかけて、芸術や文化を通じた人間の解放を提唱した点で、日本の美学史や思想史において重要な存在です。 もし特定の著作やテーマについてさらに詳しく知りたい場合は、詳細を掘り下げてお伝えします!
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美学入門、とありますが、特に第二部の内容はある程度西洋哲学について知っていないとなかなか難解と思われ、どういうことを言いたいのだろう、と思うような表現も多い印象は拭えません。「美学」というもの自体がどうしても哲学的な性質を帯びているために、そこをもう少しわかりやすく噛み砕いて、中...
美学入門、とありますが、特に第二部の内容はある程度西洋哲学について知っていないとなかなか難解と思われ、どういうことを言いたいのだろう、と思うような表現も多い印象は拭えません。「美学」というもの自体がどうしても哲学的な性質を帯びているために、そこをもう少しわかりやすく噛み砕いて、中井氏の考える美学の本質を解説してもらえることを期待していたので、少し残念ではありました。 しかし第一部に記されている、美はどういうところにあって、芸術はどこに向かっているのか、というところの論評は、私たちの生活体験や社会の変化に基づいて記されていてわかりやすく、読み応えのあるものでした。 美の儚さに対して自覚的であり、今現在の自分と訣別した先にある未知なるものに美を認識する、というあたりの論評が印象的で、利益追求というベクトルで没個性化する社会にあって「その嗟嘆を芸術は見のがすことができない」という表現に、時代は違えど共感と感銘を感じました。
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パラ読み。 学問として文章で尾を知ることはできるが、私はそれよりももっと、実体験として日を肌から(感覚から)知りたいと思った。
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さすがに端正で抑制のきいた文体だな、と思うけど内容はあまり頭に入ってこなかった。中井の著作はどうも相性が悪いのか。
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とても短い文章の中に、美の起源・各芸術における美・美学史がまとめられている。 言葉は平易で情緒的だが、構造はいたって論理的で、全体の構成が頭に入りやすい。 美とは何か? 我々はどのような時・ものに美を感じるのか? 人は美をどのように考察してきたのか? といった問いに軽やかに答えて...
とても短い文章の中に、美の起源・各芸術における美・美学史がまとめられている。 言葉は平易で情緒的だが、構造はいたって論理的で、全体の構成が頭に入りやすい。 美とは何か? 我々はどのような時・ものに美を感じるのか? 人は美をどのように考察してきたのか? といった問いに軽やかに答えてくれる本だ。
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美を生きることに結び付けようとした人の思索のありか。 ただし、これはまとまりのある思索とは言えないだろう。 その意味で、純粋な「入門」ではない。 ただし、真摯に向き合われている各々のテーマは 思索を始める扉の役割を十二分に果たす。 そうした意味での「美学入門」である。 美は...
美を生きることに結び付けようとした人の思索のありか。 ただし、これはまとまりのある思索とは言えないだろう。 その意味で、純粋な「入門」ではない。 ただし、真摯に向き合われている各々のテーマは 思索を始める扉の役割を十二分に果たす。 そうした意味での「美学入門」である。 美は人生のためにあるわけではないだろうが、人生とともにある。 そうと意識せずとも人は見つけて、手元にそっと引き寄せておきたいものだ。
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