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夕映え(下) の商品レビュー

4.1

10件のお客様レビュー

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2023/05/08

明治維新という言葉が独り歩きしているけれど、クーデターだったんだと思わせる時代背景のもと、振り回される庶民の姿を描いた作品。 史実に基づいたお話に、改めて幕末の様子が明らかに。 何時までも宇江佐ワールドに居たいと思う昨今。

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2021/12/19

動乱の時代、侍と官軍との力での政権の奪い合い。庶民にとっては別にどっちが勝っても平和に暮らせさえしたらいいだろうに、それに巻き込まれる庶民がいかに気の毒かと思いました。自ら志願したとはいえ、若い人が戦いに参加して、命を落とす。そして残された親の辛さ、本当に可哀想です。文書も読みや...

動乱の時代、侍と官軍との力での政権の奪い合い。庶民にとっては別にどっちが勝っても平和に暮らせさえしたらいいだろうに、それに巻き込まれる庶民がいかに気の毒かと思いました。自ら志願したとはいえ、若い人が戦いに参加して、命を落とす。そして残された親の辛さ、本当に可哀想です。文書も読みやすくて、人とのつながりもイキイキと伝わってきて、江戸で飯屋と岡っ引きをする夫婦の目を通して、江戸から明治へと移りゆく世相を楽しめました。

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2021/08/28

官軍の横暴が描かれる。私は幕末物では佐幕派に感情移入する傾向があった。薩摩藩や長州藩の天皇を使った策略を嫌悪するためである。しかし、佐幕派に感情移入すればするほど、幕府側の無能公務員体質が見えてくる。無能公務員体質の役人がのさばる幕府は潰れた方が良いと考えたくなる。それでも江戸の...

官軍の横暴が描かれる。私は幕末物では佐幕派に感情移入する傾向があった。薩摩藩や長州藩の天皇を使った策略を嫌悪するためである。しかし、佐幕派に感情移入すればするほど、幕府側の無能公務員体質が見えてくる。無能公務員体質の役人がのさばる幕府は潰れた方が良いと考えたくなる。それでも江戸の人々への占領軍のような官軍の振る舞いを見れば、やはり佐幕派になる。

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2018/07/07

良い小説だった。 大好きな「雷桜」の宇江佐真理だから期待していたが予想以上だった。 江戸の市井の飯屋を中心に幕末を逞しく生きているひとびとの話。 毎回、各章のはじめに歴史の流れを差し込む手法だが、歴史の緊迫感と町民の不安感が見事にシンクロして話を盛り上げた。 宇江佐真理の急逝が悔...

良い小説だった。 大好きな「雷桜」の宇江佐真理だから期待していたが予想以上だった。 江戸の市井の飯屋を中心に幕末を逞しく生きているひとびとの話。 毎回、各章のはじめに歴史の流れを差し込む手法だが、歴史の緊迫感と町民の不安感が見事にシンクロして話を盛り上げた。 宇江佐真理の急逝が悔やまれる。

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2015/09/12

おでんが評判の縄暖簾「福助」の日々の暮らしと、江戸から明治への時代の移り変わりを描いた作品。 世の流れに乗るように息子が彰義隊へ入っていく辺りからの、不安と隣り合った毎日が息苦しい。けれど、生活が大きく変わるわけではないのも伝わってくる。 児玉清さんの解説文にもしんみり。 ここに...

おでんが評判の縄暖簾「福助」の日々の暮らしと、江戸から明治への時代の移り変わりを描いた作品。 世の流れに乗るように息子が彰義隊へ入っていく辺りからの、不安と隣り合った毎日が息苦しい。けれど、生活が大きく変わるわけではないのも伝わってくる。 児玉清さんの解説文にもしんみり。 ここにはたしかに悲しみの飲み込み方が書かれていたな、と。

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2012/07/17

L 夕映え(下) 幕末から明治の激動の最中、江戸城下の町人たちは…。 時代背景や切羽詰まる競り合い。も、この物語のポイントなんでしょうがやっぱり弘蔵とおあきの夫婦愛に一票。 一人息子の行く末や夫の実家松前への里帰り、明治に入ってからの暮らしぶり等々後半怒涛の波が押し寄せる。 ...

L 夕映え(下) 幕末から明治の激動の最中、江戸城下の町人たちは…。 時代背景や切羽詰まる競り合い。も、この物語のポイントなんでしょうがやっぱり弘蔵とおあきの夫婦愛に一票。 一人息子の行く末や夫の実家松前への里帰り、明治に入ってからの暮らしぶり等々後半怒涛の波が押し寄せる。 夕映えシーン。良かった。 巻き込まれ適応したのは町人で、一番戸惑ったのは武家ということで。 時代的に新かわせみあたり?洋風旅籠の佇まいやらリンクしたりして。

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2011/11/04

江戸に暮らす市井の人々が体験した、幕末維新の動乱。 将軍のお膝元に暮らす江戸の人々にとって、明治維新というものは必ずしも良い出来事ではなかったのですね。このあたり、浅田センセの幕末モノでもよく採り上げられてます。 政治の混乱に振り回されるのはいつの世も、なんだかんだ言って一般の...

江戸に暮らす市井の人々が体験した、幕末維新の動乱。 将軍のお膝元に暮らす江戸の人々にとって、明治維新というものは必ずしも良い出来事ではなかったのですね。このあたり、浅田センセの幕末モノでもよく採り上げられてます。 政治の混乱に振り回されるのはいつの世も、なんだかんだ言って一般の名もなき民衆なのだなぁ。

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2011/10/02

幕末から明治にかけての移り変わりを市井の人の目でみた秀作。 物語の設定上仕方ないとしても、官軍と幕府軍の説明がちょっとくどく感じた。

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2010/07/02

「上」を読んだ時点では、どうかな~って感じだったんだけど、読み終わった今、すっごいいい作品だなって思えます。 私がもう少し賢ければ、絶対五つ星をつけただろうと思います。 アホなのでいまひとつ理解できない部分があったので4つです。 江戸から東京に移り変わる時代を、市井の目でとても...

「上」を読んだ時点では、どうかな~って感じだったんだけど、読み終わった今、すっごいいい作品だなって思えます。 私がもう少し賢ければ、絶対五つ星をつけただろうと思います。 アホなのでいまひとつ理解できない部分があったので4つです。 江戸から東京に移り変わる時代を、市井の目でとてもよく書けてるなと・・・・。

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2011/08/19

本所の一膳飯屋おあきと岡引弘蔵の息子、良助は彰義隊へ入って上野の戦へ。物が立ちは、本所で心痛めるおあき夫婦と敗走する幕府軍の動きが対になって描かれる。本所の人々の江戸訛りが気持ちいい。

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