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民間軍事会社の内幕 の商品レビュー

4.3

6件のお客様レビュー

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2019/10/13

イメージしている「傭兵」なんてもう存在しないんだろうな、という漠然とした感覚を、詳らかにしてくれた。 でもこれ、元は2007年刊行の書籍なんですよね(もちろんそっちも持ってる。文庫化にあたりタイトル変えるのやめてくれないか)。2010年に加筆修正されたとはいえ、すでにここに載っ...

イメージしている「傭兵」なんてもう存在しないんだろうな、という漠然とした感覚を、詳らかにしてくれた。 でもこれ、元は2007年刊行の書籍なんですよね(もちろんそっちも持ってる。文庫化にあたりタイトル変えるのやめてくれないか)。2010年に加筆修正されたとはいえ、すでにここに載っている情報だって一昔前のものになっているだろう。 継続して書いてほしいなあ、と思う次第。

Posted byブクログ

2016/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2010年(底本2007年)刊。著者は元東京財団リサーチ・フェロー。  現代の軍事行動を側面・底辺で支えるのみならず、要人警護・情報収集の代行まで担うようになったPMC(private military company)。傭兵とも違う彼らは、現代版「死の商人」である。  本書の内容はさほど新奇ではないが、 ①軍事の費用節減のための第三世界諸国住民の利用(マオイストに追い出されたネパール軍人など)、 ②倫理的・能力的に不足の人材を情報収集その他枢要部門に配置している(アブグレイブ虐待事件ほか) といったPMCの現実と問題が具体的事例を通じて示される。  そもそも、かような民間委託は下請・孫請関係を広範囲の領域で生み出す。かつての軍属や御用会社も同様だが、それが広範囲にわたるというのが問題を大きくするのだ。  その問題の最たるものが、下位社との情報伝達が不十分な点。さらには、下位社PMCを制御できない状況に陥るという点にあり、かような現状認知は明快だ。  とはいえ、当該PMCの出資元・出資先、融資元、取引先、宣伝活動など金銭的・営業的にどのような取組みを実行しているのか。本書からは、法人のかような背景が全く見えてこないので、結果としてその必要性だけが強調される書となっている。  職務内容からすると、活動の許容性とその正当性確保の観点において、ある種の限界と広範な情報公開の必要性もまた否定できないだろう。  そういう視座も本書からは見受けられない。  一方、自衛隊のPKOやPKFへの協力が、結果的に日本国営のPMCとなっていないか。かような疑問を本書からは否定できず、その答えは勿論、手掛かりも本書からは見出すことができない。  結局、本書から伺えるのは、精々、現代においてはアメリカと言えども、手当てなしにはもはや他国へ軍事的なプレゼンスを発揮することが、経済的に不可能な事実に突き当たるくらいか。  さらに必要性を強調したとしても、純軍事的に、PMCにスパイがばら撒かれたらどうなるのかという疑念もなしとしない。  ところで、イラク戦争の大義名分は大量破壊兵器の存在であった。そもそもかかる大量破壊兵器の存在という出鱈目な情報は、本書によると、イラク・フセイン政権への情報収集の任に当たったPMCが発信元と目される。これには注意が要るか。  収集情報を大衆(特に米国民)への世論操作の材料とし、そのためのメディアコントロールもまたPMCの活動分野の一となっていることと関わると推知できそう。

Posted byブクログ

2014/07/11

会計やCSが外注されるのは何となく理解できますが、今や軍隊もアウトソーシングの時代。途上国や内戦が終結したばかりの国に行って、警察組織のコンサルティングをする、特殊部隊の立ち上げを支援する、など、今や欧米にとっては安全保障すらビジネスとなっている。日本がいかに平和な環境にあるか、...

会計やCSが外注されるのは何となく理解できますが、今や軍隊もアウトソーシングの時代。途上国や内戦が終結したばかりの国に行って、警察組織のコンサルティングをする、特殊部隊の立ち上げを支援する、など、今や欧米にとっては安全保障すらビジネスとなっている。日本がいかに平和な環境にあるか、痛感する一冊。

Posted byブクログ

2013/10/28

軍事に関わるあらゆる仕事を外注で請負う「民間軍事会社」の実態を明らかにする。 輸送、補給、警備から軍事訓練、尋問官まで。かつては国家の軍隊や警察が担ってきたような仕事を民間人である彼らが代行している。あるところでは、軍事作戦そのものに参加していたとかいないとか・・・。

Posted byブクログ

2013/10/05

名著だと思う。民間軍事会社とは傭兵とは違うということをこの本でよくわかった。 民間軍事会社がアメリカの南北戦争時代から活用されていた史実は初めて知った。民間軍事会社が十数年のうちに拡大していることは、戦争が伝統的国家から民族紛争や対テロや石油鉱山など商業ビジネスなど多岐に複雑に変...

名著だと思う。民間軍事会社とは傭兵とは違うということをこの本でよくわかった。 民間軍事会社がアメリカの南北戦争時代から活用されていた史実は初めて知った。民間軍事会社が十数年のうちに拡大していることは、戦争が伝統的国家から民族紛争や対テロや石油鉱山など商業ビジネスなど多岐に複雑に変化してきていること、また、民間軍事会社のほうが実践的ノウハウを蓄積しておいり警官軍隊の教育や紛争地域での文民警官養成にかかわっているなどに関係している。国家が表だって行動できないことを民間軍事会社を通じて提供し、政策として利用されている側面もはじめて知って驚いた。現代社会の一側面の洗い出しと的確な指摘していると思う。著者の民間軍事会社の演習に参加したリポートもなまなましい。 軍事とはなにかだけでなく、安全とはなにか、政治とはなにか、グローバルビジネスとはなにか、についても考えさせられる本だった。

Posted byブクログ

2011/05/15

戦争を飯の種にする民間軍事会社(PMC)。今や彼らなくして戦争を行えないアメリカの姿、そして民間人であるPMCの社員が戦闘を行うことの法的、倫理的な正当性について考えたい方に。

Posted byブクログ