TREASURE BOX の商品レビュー
ドールハウスには見えなかったなぁ。しかし、宝塚はお衣裳がとても可愛いことと、一見何気ないシーンでもかなり計算して人物を配置していることがよくわかった。
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「small planet」が印象的だった本城さんの2冊目の写真集。 相変わらず、オモチャ箱のように楽しく印象的で、つい見入ってしまいます。
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ドールハウスみたいな舞台の写真。トップスターもアンサンブルもみんな、オルゴールのバレリーナのよう。スターのアップはないけれど、まさに宝箱に閉じ込められた宝塚歌劇の姿です。
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1978年生まれのフォトグラファー、本城直季の前作『small planet』(2006)は、とてもショッキングな写真集だった。私たちの知っているあの街、この街が、私たち素人には見当もつかない光学的なテクニックをもって、鳥瞰の構図で撮影される。全カットが鳥瞰でのブロードショット...
1978年生まれのフォトグラファー、本城直季の前作『small planet』(2006)は、とてもショッキングな写真集だった。私たちの知っているあの街、この街が、私たち素人には見当もつかない光学的なテクニックをもって、鳥瞰の構図で撮影される。全カットが鳥瞰でのブロードショット。それは、精巧なるミニチュアの世界であり、現実からリアリティが剥ぎ取られ、それでも現実そのものであり続けるという不可思議な世界であった。 この新作写真集『TREASURE BOX』(講談社)も、ほぼ同じ手法が使われている。今回、街の実景の代わりに被写体となったのは、宝塚歌劇の舞台である。スポットライト、フットライトに照らされた宝塚の生徒たちが、やはり精巧なるミニチュアのように見えてくる。観客席から見る舞台は「まるでドールハウスを覗き込んだような世界」だと、本城は書いている。写実主義に背を向けた、パラノイア的なリアリズム。 バスビー・バークレーの幾何学的な精巧美を宿し、モンマルトルの丘の下で夜ごと演じられる祝祭の劇性をも宿し、MGMのミュージカルがテクニカラーで完成させた極上の悦楽を宿しつつ、本城が4×5インチの大判の板状フィルムに定着させたイメージは、強烈な光源そのものとなる。TREASURE BOX、つまり宝石箱であり、フレームに枠取られて閉じゆく視界は、音楽劇の活性を凍結させ、ジョゼフ・コーネルの静謐で夢魔的な〈箱〉のようなものとなってゆく。 途中、演者の目線からほんの少しだけ上から捉えられた写真が何ページか続くが、これが恐ろしく魅力に乏しいのだ。本城直季の写真の魔性の秘密は、どうやら鳥瞰の構図にあるだろう。(拙ブログより転載す http://blog.goo.ne.jp/oginoyoichi/)
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