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楽しい教室づくり入門 の商品レビュー

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2019/12/30

 私はこの本のタイトルである「教室づくり」という言葉に魅力を感じている。「学級づくり」ではない。「学級をつくる」と「教室をつくる」では、ニュアンスが異なる。 学級…一人または複数の教員のもとに、同じ教室で同時に学習する児童・生徒の集団。 教室…学校で授業・学習を行う部屋。技芸など...

 私はこの本のタイトルである「教室づくり」という言葉に魅力を感じている。「学級づくり」ではない。「学級をつくる」と「教室をつくる」では、ニュアンスが異なる。 学級…一人または複数の教員のもとに、同じ教室で同時に学習する児童・生徒の集団。 教室…学校で授業・学習を行う部屋。技芸などを教える所。(『広辞苑』第六版) 有田先生がどのようなことを心がけて「教室づくり」を進めていったのかを学ぶことのできる一冊である。 ① 柔軟で明確な指導計画を  有田先生は、手立てとして「何といっても『年間計画』をしっかり立てて取り組むこと」と言う。その年間計画とは、核とする教科とそれに全教科を関連させた、一貫した指導をしていくことである。しかも、それを厳密に進めていくのではなく「子どもを見ながら修正していく」ことが大切であるとしている。教科書会社などが出しているものではなく、自分で教科書を読み、子どもから学んだものとして「年間計画」の意味がある。できるだけ早い段階で「年間計画」を作成していくことである。これはその教師の武器になり、仕事を効率よく進められることにもつながる。 ② 一言少なく、一手少ない指導  私が常に心していることのひとつである。育てる指導において、このことは不可欠である。「子どものために尽くすということは、手取り足取りの指導ではなく、一言足りないことや、一手少ない指導だと考えている」と有田先生も書いている。ところが、この指導はとてつもなくツライ。なぜなら教師には「忍耐」が必要だからである。子どもたちを世の中でがんばっていける人間として育てていくためには「待つ指導」が適切におこなわれなければならない。「一言少なく、一手少ない指導」を進めている教室・子どもたちは、傍から見ると、ごちゃごちゃしていて、教師が指導していないのではないかと捉えられかねない。しかし、それでも教師の「信念」を大切にして指導を進めるべきなのである。特に小学校教師ほど「子どもは未熟だ」という偏った子ども観によって「教育的良心」とやらで子どもをつぶしてしまう。もっと子どもに任せてみればいいのである。案外、やるものである。そして、それが子どもを育てることであり、小学校卒業後も成長を続けることのできる子どもとしていくことができるのだ。 ③ 【意欲】と【やさしさ】と【安心感】をもたせる  この3つは、どの学年においても育てていきたい面である。 多様なアプローチで教師は仕掛けていく必要がある。  有田実践のひとつに「今月の詩」がある。この本には何月にどんな詩を扱ったのかが詳細に書かれており、自分の教室でも活用することができる。

Posted byブクログ