ウツになりたいという病 の商品レビュー
「鬱になりたい」という“うつ病もどき”についての検証については、実態把握も背景分析も弱い。もしくは、従来のうつ病と比較しながら書かれていないので分かりにくい。対処療法や知見は素人でもすぐに実践できそうなものが多く紹介されており参考になる箇所は多い。 以下、参考になったところ。 ...
「鬱になりたい」という“うつ病もどき”についての検証については、実態把握も背景分析も弱い。もしくは、従来のうつ病と比較しながら書かれていないので分かりにくい。対処療法や知見は素人でもすぐに実践できそうなものが多く紹介されており参考になる箇所は多い。 以下、参考になったところ。 ・「では、何になったら最高なんですか?」という問いかけ p70-77 何かを強くもとめて自己を築くのではなく、「何となく」という“ふわっ”とした感覚で自分をとらえることが大切。 ・従来のウツ病にかかる人は、呻吟しながらも自分の内面をみつめていくので、ウツから回復したときには動物が脱皮したような人間的な成長があるもの。本人の内面の構造が変わる。 p93 ・塩塗療法、森田療法、シロクマ曲線理論 p114 ・色でするセルフカウンセリング p128 ・“ウツ症状”は治すな。ウツっぽい症状に陥ったときには「考えることをやめる」ことが大切。森田療法の「計らわない」も考えることをやめるという姿勢。 ・すべてを「遊び」でとらえる。仕事も勉強も遊びの感覚のなかでいくと上手くいく。「遊びをせんとや生まれけむ」。遊び=楽しむと言葉を言い換えるともっとわかりやすい。仕事や雑事で自分をあそばせるという感覚をつかみ、楽しめるようになること。
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うつもどきについて書かれていた本。 うつもどきの実態だけで,それにならないための対処などが紹介されていました。 なかでも,自分の気分を色で表わして感情を全面肯定するという考えからには新鮮さを覚えました
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読んでから大分時間が経過してしまいましたが、自分の思考のくせ等についていろいろ気づくことがありました。 私はあまり良いものの考え方をしていないようです…
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夜の街の異様なほどのにぎわいの中心にいる人たちのハイテンションと その後に襲ってくるウツ気分は、おそらく紙一重。 無理せず「せねば」も言わず自然体で生きれたらと思う毎日だけど 認められたいっていう気持ちがムリしちゃうんだろうなーうーむ
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新型ウツおよびウツもどきについて、明快な論とそれを侮らず大きな社会問題の現れとして対する姿勢が素晴らしかったです。専門家らしく、処方も見事でした。自省させられるところも多々。 個人としての問題だけでなく、社会を一つの人格と見なしーあるいは大文字の他者としてー社会の新型ウツ、社会...
新型ウツおよびウツもどきについて、明快な論とそれを侮らず大きな社会問題の現れとして対する姿勢が素晴らしかったです。専門家らしく、処方も見事でした。自省させられるところも多々。 個人としての問題だけでなく、社会を一つの人格と見なしーあるいは大文字の他者としてー社会の新型ウツ、社会のウツもどき、を考えても興味深いものだと思いました。特に震災後の躁状態がウツの反面であり、良くない処方を自ずとしているのではないかという懸念は、正誤を別にして、自分の理解とこれからの方針として役立つのではないかと思えました。
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なんか、日本って窮屈だなー。いろんなことが、がんじがらめになって、難しいんだな。と社会背景について思ってしまった。大陸的思想に触れたわたしは、脳天気なんだな、きっと。「ポジティブシンキング」の人が陥りやすいウツというのもあるらしいから気をつけなきゃいけないけど、無理して明るいことを考えようとしてるというより、ほんとうに明るい未来の可能性を信じてるからなぁ。 最近増えているという3種のウツもどき(未病の状態) 「ウツになりたい病」…過度に明るく振る舞い、自分の暗く沈んだ部分を否定してしまう。「ウツ気分」になってもいいんですよ、と言われると楽になるらしい。 「アイデンティティーからくるもの」…周囲からどれほど賞賛を受けている人でも、それが「本当になりたい自分」とかけ離れていれば満足できないどころか、非常に後ろ向きになってしまう。本当になりたい自分になる努力をしたり、今の自分の良さを発見することで、改善される。 「新型ウツ」…一定の環境でいるときだけウツ症状が現れる。会社や学校など。それ以外の場所では、普通の人と変わらないような状態。利己的で打算的なことが多く、ウツと診断されれば長期有給がとれる、などと思っていることも。うまくそのコミュニティーになじめるようカウンセリングしていくことで、改善される。 でも、この3つって、昔からあったことなんじゃない?それを「ウツ」と思っちゃうのは、ウツという言葉を世の中が軽く言うようになったからで。と思ってしまった。まあ、現場を知らないから気軽にこう思うだけかも。 「学習性無気力」…「電流を流しつづけられた犬は、次第に何をしても苦痛から逃れられないと思い(学習)、次第にえさを食べなくなる。」ひょえ~~~~怖すぎだよ!!! もちろん人間にも起こりえることで。。。本来人間は明るい未来を信じられるはずだけど、いろんなことを体験してその希望が曇っちゃうのだねーーー。恐ろしいっ! 「認知的不協和」…自分が思っているイメージと違う現実があれば、強く印象に残り、忘れられない。「シロクマの映像を見て、このシロクマのことを忘れてくださいと言われた人より、覚えておいてくださいと言われた人?のほうが忘れている」=忘れようとすればするほど心に刻まれるのも、認知的不協和。
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タイトルを見るだけで、浮かんでくる顔が二つ・三つ・・・ 著者は臨床心理の実務家でもあるが、単に現場からの報告という本ではなく、人の心を人間関係から解いていく書き方が小気味良い。 『攻撃的なうつ』『妙に明るいうつ』といった一般の常識からは矛盾するようなことがどうして起こるのかをわ...
タイトルを見るだけで、浮かんでくる顔が二つ・三つ・・・ 著者は臨床心理の実務家でもあるが、単に現場からの報告という本ではなく、人の心を人間関係から解いていく書き方が小気味良い。 『攻撃的なうつ』『妙に明るいうつ』といった一般の常識からは矛盾するようなことがどうして起こるのかをわかりやすく解説してくれている。 「色で自分の気分を表すセルフカウンセリング」って、この著者のオリジナルなんだろうか?気分をなんとなくの色で表現して、今の自分を受け入れて行くというセラピー。 スマートフォンのアプリであったらヒットしそうな気がする。
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とりあえず鬱になったという人が増えた現代に、そのほとんどは擬似鬱だと問いかける本。 こういった内容は個別ケースが多く、触りたくない人が多い中、統計データを使って場合分けしているのは評価できる。 ただ読んだあとなにか実践するかといえば特になく、雑学的な読み物。
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この類の新書の中では、スッキリ感が高い。ウツになりたい人たちと本当のウツの人の特徴を紹介。自然は人に考えることをやめさせるそれだけで精神のバランスを回復することがある、ということは覚えておこう。
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本当の鬱病じゃなくても、それは鬱病の「未病」としてとらえるのがいいそうで。「うつになりたいという病」はもっと深刻じゃないものなんだと思っていたが。本物の鬱病じゃないとはいえ軽く見ちゃいけないんだなということがわかった。でも「新型うつ」はねぇ…甘やかさない方が良いんじゃ?って思っち...
本当の鬱病じゃなくても、それは鬱病の「未病」としてとらえるのがいいそうで。「うつになりたいという病」はもっと深刻じゃないものなんだと思っていたが。本物の鬱病じゃないとはいえ軽く見ちゃいけないんだなということがわかった。でも「新型うつ」はねぇ…甘やかさない方が良いんじゃ?って思っちゃうんですが。
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