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昭和水滸伝(上) の商品レビュー

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2011/07/22

北上次郎のお墨付きのお勧め本シリーズも、この本で第4弾を迎えることになりましたが、いよいよ真打登場という感じで、本物の大御所である藤原審爾のお出ましです。 双葉文庫から『新宿警察』『新宿警察Ⅱ・慈悲の報酬』『新宿警察Ⅲ・所轄刑事』『新宿警察Ⅳ・新宿生餌』とシリーズ4冊が昨年10...

北上次郎のお墨付きのお勧め本シリーズも、この本で第4弾を迎えることになりましたが、いよいよ真打登場という感じで、本物の大御所である藤原審爾のお出ましです。 双葉文庫から『新宿警察』『新宿警察Ⅱ・慈悲の報酬』『新宿警察Ⅲ・所轄刑事』『新宿警察Ⅳ・新宿生餌』とシリーズ4冊が昨年10月11月に復刊されてからというもの、ここへきてようやく我が藤原審爾の久々の復活かと色めきたったものですが、後続がありませんでした。 私は中学生のとき、たまたま家のすぐそばにあった市の図書館で、1960年代から70年代に書かれた彼の膨大な量の単行本に出会い、同級生たちは目もくれませんでしたが、私には妙に肌に合う感じがしてほとんど完全読破を果たしました。 解説で北上次郎も書いていますが、本当に藤原審爾は書いていないのはSFぐらいのもので、それ以外のすべてのジャンルにわたって書いていて、ほとんどすべてが標準作以上の傑作・名作・問題作が目白押しで、けっして失敗作がない小説家であって、こんなに様々な分野で読ませる作家なのに、没後26年も経ってもまとまった全集も著作集も出ていないという事実が信じられませんでした。 とはいえ、本書は私がもっとも苦手とする任侠小説なのですが、でも、けっして反吐が出そうなヤクザ小説や暴力団小説ではないので、正義のために命を賭けて闘う主人公たちの胸のすくような痛快な物語、きっと気に入らない人はいないと思います。

Posted byブクログ