名残り火 の商品レビュー
大事に思う人が死んでしまったから、その原因を調べる。それは「てのひらの闇」と同じだが、今回はさらにもう1人が続いてしまった。 「もう1人」と思うのは、私の感想の書き方のせいであり、実際は他にもいる。こういった考え方の違い、誰をどのくらい大事だと思うかの違いから犯罪が起こったりす...
大事に思う人が死んでしまったから、その原因を調べる。それは「てのひらの闇」と同じだが、今回はさらにもう1人が続いてしまった。 「もう1人」と思うのは、私の感想の書き方のせいであり、実際は他にもいる。こういった考え方の違い、誰をどのくらい大事だと思うかの違いから犯罪が起こったりするのかもしれないと気づいた。 気をつけたい、とは思うが、誰をどのくらい大事だと思うかは、気をつけるという問題ではないので困る。
Posted by
あぁ、なんというフィナーレ。そこへたどり着くまでのストーリーも濃く、三上や関根などのキャラも見事。これがもう遺作とは残念。
Posted by
物語の奥深さやストーリーの繋がりは相変わらず秀逸で、ラストまで一気に引き込まれましたが、最後真犯人の動機だけが少々物足りなさを感じました。もちろん動機としてはあり得ますし、むしろ特異でなかったことがこの物語には合っているかのかもしれませんが、何となくもう少し違う動機を期待してしま...
物語の奥深さやストーリーの繋がりは相変わらず秀逸で、ラストまで一気に引き込まれましたが、最後真犯人の動機だけが少々物足りなさを感じました。もちろん動機としてはあり得ますし、むしろ特異でなかったことがこの物語には合っているかのかもしれませんが、何となくもう少し違う動機を期待してしまっていました。 でも、私はやはり藤原伊織氏の描く男性社会が大好きです。
Posted by
先々月に『てのひらの闇』を再読し、続編があると知り大型書店へ。10年前の刊行本だが、無事get。 話は前作の3年後。主人公堀江の親友柿島が、集団暴行で死んだ。犯人を探すべく、堀江は行動を起こす。 彼を助力するのは前作と同じく、かつての彼の部下大原真理。 さらに今作は、三上という「...
先々月に『てのひらの闇』を再読し、続編があると知り大型書店へ。10年前の刊行本だが、無事get。 話は前作の3年後。主人公堀江の親友柿島が、集団暴行で死んだ。犯人を探すべく、堀江は行動を起こす。 彼を助力するのは前作と同じく、かつての彼の部下大原真理。 さらに今作は、三上という「ファンキーなジジイ」が強力な助っ人に。この三上、上場企業の社長でありながら、頭はスキンヘッド。1450㏄のハーレーを乗り回す逸者、何と魅力的なキャラだろう。 事件の背景の一因に、流通業界ーコンビニとFC本部との関係などーの闇を絡ませ、時代を見据えた鋭い観察眼が生んだ質の高い作品となっている。 本作が、藤原伊織氏の最後の作品だというのはあまりにも惜しまれる。ご冥福を祈るとともに、第3弾を企画していたかもしれないと思うと、その作品が読めないことが残念至極。 現存作家の作品には稀ともいえるほどの見識と妙味に溢れ、重厚で読み応えのある藤原伊織氏の小説。 再読を含め、他の作品もこの機会に読んでみようかと思う。
Posted by
ー 承っております、 こちらへ。そういって案内されたテーブルは表面が磨きあげられた黒い大理石で、そこから間接照明でほの明るい周囲に目をやると、一種の感慨が訪れた。 この国のてっペんにある階層の富を吸収するシステム。それはいかなるかたちでいかに存在すべきか、しかるべき立場の人間の...
ー 承っております、 こちらへ。そういって案内されたテーブルは表面が磨きあげられた黒い大理石で、そこから間接照明でほの明るい周囲に目をやると、一種の感慨が訪れた。 この国のてっペんにある階層の富を吸収するシステム。それはいかなるかたちでいかに存在すべきか、しかるべき立場の人間の探究心を満足させるに足る材料を、周りの内装が完壁なかたちで提供していたからである。べつの言い方をするなら、私にとっては居心地がさほどいいとはいえなかったということだ。 ー 藤原伊織の遺作。 このシリーズは続いて欲しかった。ここで終わりだなんて悲しすぎる。まだまだ物語るべきものがあったはずなのに…。 しかも、なんとも悲しい終わり方。途中までしか加筆・改稿できなかったようだから、本当はもっと終わり方も工夫したかったのではないかと思われる。
Posted by
2019年1月30日読了。 藤原伊織の遺作。 てのひらの闇から3年後、タイケイ飲料をやめた堀江は自分で小さいコンサルタント業についていた。 同期の柿島も会社を辞め、流通大手に転職したがそこも辞めていた。 その柿島が襲われ、3日後に死亡してしまう。 堀江はただならぬものを感...
2019年1月30日読了。 藤原伊織の遺作。 てのひらの闇から3年後、タイケイ飲料をやめた堀江は自分で小さいコンサルタント業についていた。 同期の柿島も会社を辞め、流通大手に転職したがそこも辞めていた。 その柿島が襲われ、3日後に死亡してしまう。 堀江はただならぬものを感じ、真相を解明すべく立ち回る。 藤原伊織、死ぬのが早すぎるよ。もっとあんたの小説読みたかったよ。 本作の中でも「いい人は早く死んでしまう」というセリフがあるが、まさか自分のことになるとは思ってもいないだろう。 巻末の解説も逢坂剛、これもいい。
Posted by
シリーズ化するつもりだったのだろうと思えるラスト。まさかのナミちゃん、登場人物たちのその後が気になります
Posted by
手のひらの闇の続編。 また癖のある魅力的な登場人物が登場。 大入道みたない三上。なみさんとねー・・・。 大原さんは、報われるのか報われないのか。何だかやきもきします。 まだまだシリーズとして読んでみたい作品だったのですが。合掌。
Posted by
これが最後の長編になるなんて。 こんなに早く亡くなるなんて思いもしなかった。好きな作家さんの1人で だいたいの作品を読んできたけど どれも良かった。 ほんとに残念です。 合掌。
Posted by
内容(「BOOK」データベースより) 飲料メーカーの宣伝部課長だった堀江の元同僚で親友の柿島が、夜の街中で集団暴行を受け死んだ。柿島の死に納得がいかない堀江は詳細を調べるうち、事件そのものに疑問を覚える。これは単なる“オヤジ狩り”ではなく、背景には柿島が最後に在籍した流通業界が絡...
内容(「BOOK」データベースより) 飲料メーカーの宣伝部課長だった堀江の元同僚で親友の柿島が、夜の街中で集団暴行を受け死んだ。柿島の死に納得がいかない堀江は詳細を調べるうち、事件そのものに疑問を覚える。これは単なる“オヤジ狩り”ではなく、背景には柿島が最後に在籍した流通業界が絡んでいるのではないか―。著者最後の長篇。 敬愛する藤原伊織の遺作で、てのひらの闇の続編です。やはりアル中気味の主人公と彼をそれとなく慕う切れる元部下の美女。そして友の死の謎。伊織ハードボイルドに必要な物が過不足なく盛り込まれており、一層早い死が惜しまれる出来となっています。 今回は重厚な大企業の海坊主のような社長が、漢気溢れる登場をしてとても重要な役どころだったので、恐らくこの本は3を出す予定ではなかったかと推察されます。読みたかった、本当に読みたかったです。
Posted by