時計塔のある町 の商品レビュー
洪水事故に巻き込まれ、気付くと異世界に迷い込んでいる。 最後に元の世界に戻る。あれは夢だったのかと振り返る。博物館の職員も同じ世界に行ったことがあると知る。夢かと思った世界は実在すると考える。
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最後がここに行き着くのか!という感覚でした。 児童文学のお手本のような感じで、大人になった今でもワクワクします。 主人公が暮らすところと呼ばれて迷い込んだところは違うけれど似ていて、きっとこんなところがあるんだろうなと思いました。 タカシと鈴子の謎も伏線回収があり、メインスト...
最後がここに行き着くのか!という感覚でした。 児童文学のお手本のような感じで、大人になった今でもワクワクします。 主人公が暮らすところと呼ばれて迷い込んだところは違うけれど似ていて、きっとこんなところがあるんだろうなと思いました。 タカシと鈴子の謎も伏線回収があり、メインストーリーだけでなく、サブストーリーもしっかり書かれています。 私も子どもの頃にこんな世界で冒険してみたかったなぁ…。
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異世界トリップとか、時計台とか。 ものすごく魅かれるアイテムがたくさんだったのですが、お話的にはちょっと微妙だった感じ。 5年生ぐらいから…という雰囲気ですが、難しい表現もあるのでファンタジーに慣れていないと難しいかもしれません。期待しすぎたかも(笑。
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読書会でも結構、不評。ゲームのようで今の子たちには違和感が少ないかもって話が出たけど、孝の物語なのになんだか見えてこない。生きて帰りしファンタジーなのに、すっきりしないね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
パラレルワールド的なファンタジー。悪くはないけど、ちょっと理屈っぽく、こじんまりとしてた印象。現実世界に似た世界ということだったけど、世界設定の意義がよくわからなかった。いっそ和風ファンタジー的な世界のほうが、ありがちながらもすんなり読めたんじゃないかなあ。 時計塔とか、タイムリミットとか、そういうドキドキ要素を生かす構成がほしかった。 争いを求める魂を抱えて苦悩する真鳥と、そんな真鳥と敵対しつつも仲間意識を捨てきれないニセ迂渦夜姫のキャラはよかったです。
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“「あったかいでしょ。私が心をこめて編んだものには、古岩族代々のあたたかい心が一緒に編みこまれているの。一目一目に思いをこめて編みこんでいくのよ。それを身につけていれば、風邪なんかひかないわ」 マオが考の背中にかかったマフラーの端をもてあそぶようにひっくり返しながら、鈴子にたずね...
“「あったかいでしょ。私が心をこめて編んだものには、古岩族代々のあたたかい心が一緒に編みこまれているの。一目一目に思いをこめて編みこんでいくのよ。それを身につけていれば、風邪なんかひかないわ」 マオが考の背中にかかったマフラーの端をもてあそぶようにひっくり返しながら、鈴子にたずねた。 「めずらしいね。古岩族はめったに大切な編み物を人にやったりしないだろ」 「汚い手でさわんないでよ」マオにぴしゃりといってから、鈴子が不思議そうに首をかしげて、考の目をのぞきこんだ。「あなたとははじめて会った気がしないのよ。なんだかとても懐かしい感じがする。だからあなたには、この編み物をあげてもいいかなって思って」 そういわれて、考も鈴子の顔をじっと見返した。しかし彼女のそのかわいらしい顔に見おぼえはなく、さして懐かしい感じがするとも思えなかった。考が正直に会ったおぼえがないというと、鈴子は少し悲しそうに笑って、片手を軽く振った。” 鈴子は親戚フラグかと思ったが、そうじゃなかった。 あまりないタイプのフラグで、正直そこが良かった。 空想話なんかじゃなくて、本当にそこにある。 “「……夢で見た町?」 「そう。ぼくは子どものとき、何度もこの町の夢を見た。夢のなかでは、町の広場で遊んだり、牧場で牛を追ったりしてね。いまでも鮮明におぼえてる。美しい町だったよ。その夢で見た町の設計図を作ってね、何年もかけて一人でこれを作ったんだ。この間やっと完成したんだけど、おおいのアクリルと電気が自分じゃうまくいかなくってさ。館に出入りしている業者の人に手を入れてもらったんだ。もちろん、費用は自分持ちだよ。でもおおっぴらにできることじゃないからね。倉庫に置いて、仕事をしてもらった。昨日持って帰るつもりだったんだけど、あのひどい雨だったから。しかたなく、一日置きっぱなしにしちゃった。でも壊れてなくてよかった。風で倉庫のガラスが割れてたら、これもめちゃくちぇになってただろう」 心底ほっとしたように林田さんはいった。 孝はめまいがしそうだった。――この人が子どものときに見た夢のなかにぼくは行ったというんだろうか。それとも、この模型の町にぼくがちいさくなって入りこんでいったのか。そもそも、あれが現実なのか、夢だったのか。 「……ちがう、夢じゃない」ちいさく声に出していったあと、考は林田さんの手を強くつかんだ。「林田さんが子どものときに見た夢って、夢じゃなかったんだと思う」”
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同じ椋鳩十児童文学賞の村山早紀の『魔女のルルー』シリーズでも、引用文のような、善悪の判断について触れているが、そこでは明確な答えを出さず「純粋な100%の悪人は存在しない」というような内容だったのを、何となく思い出した... この本でも、大体同じ感じで、 自分自身に問いかけて判...
同じ椋鳩十児童文学賞の村山早紀の『魔女のルルー』シリーズでも、引用文のような、善悪の判断について触れているが、そこでは明確な答えを出さず「純粋な100%の悪人は存在しない」というような内容だったのを、何となく思い出した... この本でも、大体同じ感じで、 自分自身に問いかけて判断すること、経験によって善悪の判断基準が形成されていくこと、という結論で落ち着いている。 世界征服は「支配欲や私利私欲にまみれたもの」と「『自分が本気で世界をよりよく統治できる』と信じて行われるもの」とあるように思うが、この場合はどちらに入るのだろう。 本の内容は、面白かったし続きが気になって速いペースで読んだけど、構成は悪く言えば普通、というかありふれているのかもしれない。もう少し人間ドラマとかあっても良かったかも。ストレート行き過ぎたような感じ。 登場人物を増やしすぎて、読み返さなければならない複雑な小説よりも、こういうストレートな方が自分には合ってるのかな、という気も少しした。 最後、物語の締め方が好き。
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またまた素敵なおはなしでした! ここではないどこかにとんでいって冒険するおはなし。 たまらん! 銀のさじシリーズに興味が沸きました。 レッドデータガールやら、読もかしら。
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