1,800円以上の注文で送料無料

のけ者 の商品レビュー

4

6件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この装丁、ラストシーンのネタバレ? 下降するばかりの人生、それも母子共々を描いて、ここまで凄まじいとは。 階級や育ちの違う男女の結婚の見事な失敗例。 テレーズの夫やシャルルがニコラに職の世話をしてくれなかったのは、ニコラに学歴がないから、それとも父親が外国人だから? ニコラが金を無心しようとした様々な人々の人生模様が面白い。 こんな状況なのに、ニコラ、性欲はあるのね。 ニコラやルイーズの会話が成立しないのにイライラ。

Posted byブクログ

2014/08/24

この本は自己愛が著しく足りていない人間が「自分はこいつらよりまだマシ!」と思いたいときに読むとよいと思うが、時と場合と人によっては「明日は我が身」とか「身につまされる」とか「むしろこいつらのほうが自分よりまだマシ」とか思うかもしれない。

Posted byブクログ

2014/06/09

働かないで借金を繰り返して生きる、貧乏な親子の話。 このダメっぷりが凄まじい。目の前の現実から目を逸らし、気づかないでいれば現実が消えてくれると思っている。働かなくても、誰かが助けてくれると期待して、自立することから逃げ続ける。一度は働きに出るが、続かない。続かないことに、たいし...

働かないで借金を繰り返して生きる、貧乏な親子の話。 このダメっぷりが凄まじい。目の前の現実から目を逸らし、気づかないでいれば現実が消えてくれると思っている。働かなくても、誰かが助けてくれると期待して、自立することから逃げ続ける。一度は働きに出るが、続かない。続かないことに、たいした理由もない。 そして、誰にも助けてもらえなくなって、金策が尽きて死んでしまう。 現代でいうなら、引きこもりってこんなふうなのかな、と思った。 このままではダメだと頭の何処かでは分かっていても、一歩が踏み出せない。その彼らの不安や恐怖だけがリアルに迫ってくるので、読み終わると絶望的な気持ちになる。自分も、何もかもうまくいかずに不幸になるんだ、みたいな。 書いた人も、訳した人も、死にたくなるんじゃないかな。

Posted byブクログ

2013/10/12

ダメ男文学を超えたなんというダメ家族文学。ニコラとルイーズのアレクサンドル母子の意地でも働こうとしない、労働への想像力の持ち合わせの無さは軽蔑を越えて感嘆もの。周囲にひたすら借金を頼み行きながら、徐々に現実と妄想の区別の付かない錯乱状態へとフリーフォール。貧困とは金がないことに加...

ダメ男文学を超えたなんというダメ家族文学。ニコラとルイーズのアレクサンドル母子の意地でも働こうとしない、労働への想像力の持ち合わせの無さは軽蔑を越えて感嘆もの。周囲にひたすら借金を頼み行きながら、徐々に現実と妄想の区別の付かない錯乱状態へとフリーフォール。貧困とは金がないことに加え、金を使うことでしか楽む事のできない文化的素養の事を指すのだと改めて確信する。どん底だと思った?残念、まだ下ってものがあるんだよ。もっと下ってのがあるんですよ。それを知った時にどうすればいいかって?そう、笑えばいいと思うよ。

Posted byブクログ

2013/07/20

「ダメ」の深淵をのぞく 父・アレクサンドルが亡くなり、その遺産も使い果たしたニコラ・アフタリオンは母・ルイーズとともに親類縁者を頼ってパリに出てくる。しかし、職に就かないニコラ、およそ経済観念の無いルイーズ、親子二人の生活は手当たり次第借金をしては踏み倒す泥沼状態…。 水の...

「ダメ」の深淵をのぞく 父・アレクサンドルが亡くなり、その遺産も使い果たしたニコラ・アフタリオンは母・ルイーズとともに親類縁者を頼ってパリに出てくる。しかし、職に就かないニコラ、およそ経済観念の無いルイーズ、親子二人の生活は手当たり次第借金をしては踏み倒す泥沼状態…。 水の冷たさを感じさせるセーヌ川に身を躍らせるヨレヨレの男。 不穏な色調と必要以上に大きなタイトルの文字が不安を掻き立てる。 装丁のイメージ通りの救いがなくて不毛な内容にびっくり。 社会で自立して生きていくことに全く学習がない親子が 全編300ページに亘ってひたすら借金と浪費を繰り返して破滅するという 本当にそれだけの話。 出版当時、本書を読んだ批評家ポール・レオトーは日記に記したそうだ。 「まさに悪夢だ。完全にうちのめされた。まさかこんな小説を書こうと考える人間がいるなんて」「この本を読むと、読者はこの種の零落に自分自身が落ち込んだような気になる。これは読まない方が良い本だ」 ポーヴ・ファンというオーストリアの現代作家ペーター・ハントケすら言ったという。 「この小説を訳すのには大変な勇気がいります。そもそも私にはこんな本は書けません。こんなに暗くて、しかもこんなに正確な物語を書くということは信じがたい神秘です。とうてい私の耐え得るところではありません」 しかもこのエマニュエル・ボーヴという作家は、本書の主人公・ニコラのような ダメ男ばかり書いてるらしい。 にもかかわらず。 「複数の言語に訳され、世界中で広く読まれている」のはなぜか。 「ダメ」も極めればある種の悟りを得られるということなのか。 その深淵を覗いてみたい方、どうぞ。

Posted byブクログ

2013/07/31

「ぼくのともだち」「きみのいもうと」は悲哀ながらもユーモアがあって面白かった。 「のけ者」はそれらと違ってさいしょからすごく力をこめて書かれている気がした。「ボーヴはこういうのも書けるのか・・・」とおもいながら、どんどん読みすすめ、途中から、面白いんだけれど、つらくなってきた。 ...

「ぼくのともだち」「きみのいもうと」は悲哀ながらもユーモアがあって面白かった。 「のけ者」はそれらと違ってさいしょからすごく力をこめて書かれている気がした。「ボーヴはこういうのも書けるのか・・・」とおもいながら、どんどん読みすすめ、途中から、面白いんだけれど、つらくなってきた。 「一体なんなんだ」 という言葉が何度も何度も浮かんで、「~~すればいいのに」というのすら浮かばなくなるほど打ちのめされて「一体なんなのこの母子」からだんだんと「一体なんなのこの作品」となって、終盤はひどく不安定な気もちになった。 じぶんに重なることがあるようなないような、はっきりわからないけど、トラウマをつつかれるような気もち悪さがあって、理由を考える余裕もないほど、のめりこんで読んで、読み終えた。 「なんなの」 という気もちしかなくて、いつもは読まない「訳者あとがき」をおもわず読んでしまったんだけど、そこに「まさに悪夢だ」「これは読まない方が良い本だ」と言われたとあって、そこでなぜか「だよねー!」とほっとして涙がでてしまったw なんか怖かったなあ。。 ホラーじゃないんだけど、、、なんだろう、ボーヴって一体なんなの。。

Posted byブクログ