絵本平家物語 の商品レビュー
・ここ一年ほどその気もなく平家物語修行をした感じなのでけっこう馴染んできたような気でいて、こういうのを読んでもたのしめるかもしれないと思いましたがまだまだ修行が足りないようです。 ・安野光雅さんなので絵は端正です。たっぷりあります。たしか『本』というPR誌の表紙絵だった記憶があり...
・ここ一年ほどその気もなく平家物語修行をした感じなのでけっこう馴染んできたような気でいて、こういうのを読んでもたのしめるかもしれないと思いましたがまだまだ修行が足りないようです。 ・安野光雅さんなので絵は端正です。たっぷりあります。たしか『本』というPR誌の表紙絵だった記憶があります。説明文は辞書的であまりおもしろみはないので感想とかどういう心境でその絵を描いたかをもっと入れてくれてもよかったかもと。 ・当然ながら合戦の絵が多いのですがときおりの風情あるシーンにホッとさせられました。
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講談社PR誌「本」表紙(1989.1-1995.12)連載の絹絵(79場面)と書きおろしの文章(あんのさんによる現代語抄訳)で織りなす絵物語。教科書でまなぶ「祇園精舎」「那須与一」止まりだった平家物語の全貌はこれでだいたいおさえられる。根岸競馬記念公苑の馬の博物館で原画展を見たの...
講談社PR誌「本」表紙(1989.1-1995.12)連載の絹絵(79場面)と書きおろしの文章(あんのさんによる現代語抄訳)で織りなす絵物語。教科書でまなぶ「祇園精舎」「那須与一」止まりだった平家物語の全貌はこれでだいたいおさえられる。根岸競馬記念公苑の馬の博物館で原画展を見たのは何年前だったか…精緻な絵、ダイナミックな構図、うつくしい彩色、群像を描いても山や海などの景色だけ描いても、平家物語の世界観があふれていて、見飽きない。現代語抄訳も物語理解に必要な場面を押さえ、簡潔だが格調がある。 大判の巻末に関係年表、源平合戦略地図、平氏と源氏の系図があるので、大河ドラマ(鎌倉殿の13人)やアニメ版平家物語、その原作の古川日出男訳を楽しむときのお供にもよい(系譜がみやすくまとまっているので、他の本やアニメをみるときに気軽に参照できるようにとりあえずコピーをとった)。でもちょっと重いから、普及版のほうを改めて手に入れたほうがいいかしら…
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安野光雄 繪本 平家物語 愛蔵版 祇園精舎から女院死去まで。上から目線の風景画。寺の炎上シーン、船や馬上の戦い、山の静けさは印象に残る 金色を多く使っているが、著者の意図か 平家物語の世界か。いつか 平家物語 や 平家物語絵巻の本は読んでみようと思う 大型本は置くところに困...
安野光雄 繪本 平家物語 愛蔵版 祇園精舎から女院死去まで。上から目線の風景画。寺の炎上シーン、船や馬上の戦い、山の静けさは印象に残る 金色を多く使っているが、著者の意図か 平家物語の世界か。いつか 平家物語 や 平家物語絵巻の本は読んでみようと思う 大型本は置くところに困るが、ブックオフで 4千円弱はいい買い物だった
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後輩の子に誘われて展示で鑑賞した。繊細で柔らかな筆遣いが日本の風景を描くのに適している。風味のある色彩感覚で色づけられていて素敵だった。清水寺炎上が気に入り。
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絵巻風の絵はもちろんすばらしい。しかし、それに添えられた安野の文章がこれまたすばらしい。すべての巻・章を載せているわけではないが、原典の巻・章の順に、それぞれの章の筋書きを平均1頁弱の単文でまとめている。その文が簡にして要を得ており、絵の雰囲気にもぴったりあっている。平家物語を楽...
絵巻風の絵はもちろんすばらしい。しかし、それに添えられた安野の文章がこれまたすばらしい。すべての巻・章を載せているわけではないが、原典の巻・章の順に、それぞれの章の筋書きを平均1頁弱の単文でまとめている。その文が簡にして要を得ており、絵の雰囲気にもぴったりあっている。平家物語を楽しむための入口として、あるいは昔読んだ記憶を呼び戻すきっかけとして、上質な書物といえる。絵本だが、子ども向けではない。
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画家・安野光雅による平家物語 平家物語にはいくつかの系統があるようだが、本書は、平家物語・覚一本を底本にした講談社学術文庫などを参考にしているとのこと。覚一本は全12巻と灌頂巻からなり、各巻には十数章~二十章が含まれる。 本書では、著者が選定した79場面の絵画に、絵画場面を含め...
画家・安野光雅による平家物語 平家物語にはいくつかの系統があるようだが、本書は、平家物語・覚一本を底本にした講談社学術文庫などを参考にしているとのこと。覚一本は全12巻と灌頂巻からなり、各巻には十数章~二十章が含まれる。 本書では、著者が選定した79場面の絵画に、絵画場面を含めて143章について、著者によるあらすじが加えられている。 大河ドラマで『平清盛』をやっているが、9ヶ月経過した時点で、平家が絶頂から下り坂に向かおうというあたりである。平家物語は多少それ以前の部分も含むが、概ね、転落し始めた平家がついには討ち滅ぼされるまでを描いている。その大きな流れの中に、エピソード的に各登場人物のドラマが差し挟まれたりしている。 本書の絵は、淡い色彩に時折混じる金が美しくもあり、はかなげでもある。 戦乱で巻き上がる紅蓮の炎のすさまじさ。鎧兜の武者たちの合戦の場面では激しい戦の音が聞こえてきそうだ。 それなりに大判の本だが、原画はもっと大きいのだろう。繊細な筆遣いには、間近で見たいと思わせる力がある。 平家は西へ西へと追いやられ、ここで討たれまたここで討たれ、追い詰められていったのだなぁ・・・。鉄漿をつけた公達が次々討たれ、あるいは生け捕られていくさまは、まさに諸行無常だ。 この時代、寺や武士や天皇家や貴族や、さまざまな勢力がせめぎ合い、結果的には源氏が幕府を興すけれども、おそらく1つ違っていれば、別の展開になることもあったのではないか。激動の時代、先が見えにくい時代だったのだろう。 巻末の著者あとがきも読ませる。 安野氏は第二次大戦時、瀬戸内で従軍していたのだそうだ。 海上でのいくさで、舟によじ登ろうとする雑兵を切って捨てる場面に、『戦艦大和ノ最期』の抜粋を重ね、「軍破れ(いくさやぶれ)」とはこのようなもの、と語る言葉は重い。 大部の平家物語を読み通すには体力も時間も必要に思われるが、著者の手引きのおかげで、『平家物語』世界の雰囲気は掴めた気がする。 *中学の時か高校の時か、平家物語の冒頭と那須与一の場面は原文を暗記したっけなぁ。 *本書にも出てくる、歌人としても知られる平忠度。彼が歌の師としていたのが『千載和歌集』の選者である藤原俊成(定家の父)。忠度の歌は『千載和歌集』には詠み人知らずとして採られている。やはり『千載和歌集』に歌が載せられている鴨長明。『方丈記』はこの激動期の作なんだ、とようやく少しずつつながってくる。 この時代、混沌としていて何だかややこしいが、興味深い。 今年、『方丈記』成立800年とのこと、近所でゆかりの展示があるようなので、見に行くのもいいかなぁ・・・。
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