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兄妹パズル の商品レビュー

3.3

18件のお客様レビュー

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2010/11/28

“「えっ?」 「よそのお家の玄関のなか」 と、ユッコは繰り返した。 「玄関を開けると、よその家にはよその家の匂いがして、その家だけに通じる言葉やルールがあるじゃない?」 「うん、まあ」 そう言われると、そんな気がしてきた。わたしが両親のことをひとに話すとき父親母親と言うのは、わた...

“「えっ?」 「よそのお家の玄関のなか」 と、ユッコは繰り返した。 「玄関を開けると、よその家にはよその家の匂いがして、その家だけに通じる言葉やルールがあるじゃない?」 「うん、まあ」 そう言われると、そんな気がしてきた。わたしが両親のことをひとに話すとき父親母親と言うのは、わたしの母もまたそう言っていたからで、じゃあ父親は父親の両親をなんて言うかというと親父とお袋で、そっちのほうはふたりの兄が踏襲している。 だからわたしはなんとなく、男の子である兄貴たちは父親の物言いに倣い、女の子のわたしは母親のほうに倣って、そしてそういうことはどこの家も同じだと思っていた。どこの家も同じにそうしていて、どこの家も男の子は外に対して――ある時期からは内に対しても――親父とお袋と言い、女の子は父親母親というものだと。” 家族って、何? 家族であること家族であろうとすること。 家族だからこその秘密。 “「このことも、ママたちに言ったほうがいいかな?」 「亜実と話したってこと?」 「うん」 「そうだね」 「そうだよね」 気まずいけど、そのほうがいい。そのほうがずっといい。強くそう思った。そしてもう誰もが逃げたり隠したりもなしだ。それでもわたしたち三人は断然兄弟なんだから。わたしたちは家族なんだから。 「あっ」 わたしは小さく叫び声をあげた。 「まだあるの?」 上の兄貴がすこしあきれたように訊いた。 「そうじゃなくて、ほら、外」 そう言って、わたしは窓を指差した。上の兄貴の勉強机の先にある小さな窓を。 「あっ」 わたしと同じような声を上の兄貴も出す。 朝焼けだった。兄貴が網戸を開けて、からだを乗り出すようにして朝焼けを見た。兄貴の机にからだごと乗って、兄貴にくっつくようにしてわたしも見た。朝焼けを。それから徐々に朝焼けが薄れ、空が白っぽくなっていくのを、見た。 朝が来たんだ。”

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2010/10/28

<内容>県立高校2年、テニス部所属。ボーイフレンド、なし。兄ふたりの五人家族、末っ子。そんな松本亜実の平穏な日常に、ある日事件が起こる。仲の良い下の兄貴「ジュン兄」が、突然いなくなってしまったのだ。四日目、はがきが届いた。「思うところあってしばらく家を出ます潤一」。

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2010/08/07

泣いた。 心が悲鳴をあげて、どうしてもそこにいられなくなって逃げ出したけど、ジュン兄は、ちゃんと向き合って戻ってくる。 正直に、じぶんの気もちを話す。 そのまっすぐな、逃げたけど逃げてない姿に涙がぽろぽろ。 逃げ出す勇気もないもん、わたしは。

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2010/07/27

末っ子の亜実。上の兄浩一、下の兄潤一。 とても仲の良い家族だけど、ある日潤一が家出する。 最後にはほっこり心が温かくなるお話でした。面白かった!

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2011/07/16

いつも読んだ後で、ほっこりした気分にさせてくれる石井さんの今度の作品は家族小説。兄二人を持つ高校2年生の女の子・亜実が主人公で、青春ストーリーっぽいスタート。でも、途中からミステリっぽいタッチに。物語の冒頭と最後に、それぞれマザーグースの一節が引用してあって、これが洒落たおかしみ...

いつも読んだ後で、ほっこりした気分にさせてくれる石井さんの今度の作品は家族小説。兄二人を持つ高校2年生の女の子・亜実が主人公で、青春ストーリーっぽいスタート。でも、途中からミステリっぽいタッチに。物語の冒頭と最後に、それぞれマザーグースの一節が引用してあって、これが洒落たおかしみを醸し出している。装丁が児童書っぽいけれど、十分大人の鑑賞に耐える物語。

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2011/07/17

すいすいと読めはしましたが・・・なんと健全な家族。でもこんな家族っているのか??人の気持ちってもっと微妙で複雑なものだと思うけど、この本からはそれが感じられなかったなぁ。★2.5位でしょうか。

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2017/08/16

高校2年生にヒロインが語る家族小説です。2人の兄がいて1人が家出してというありふれたストーリーなのですが回想シーンがとても良かったです。男の子って家を出て独立しなきゃとか小さい時から考えていたりするのでしょうか。ステキなキーワードもたくさんありました。上の兄が妹にマイナスとマイナ...

高校2年生にヒロインが語る家族小説です。2人の兄がいて1人が家出してというありふれたストーリーなのですが回想シーンがとても良かったです。男の子って家を出て独立しなきゃとか小さい時から考えていたりするのでしょうか。ステキなキーワードもたくさんありました。上の兄が妹にマイナスとマイナスを掛けてどうしてプラスになるのか教えるところが好きです。

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2010/05/24

県立高校2年、テニス部所属、ボーイフレンドなし、兄2人の5人家族という松本亜実の平穏な日常に、ある日事件が起こる。仲のいい下の兄貴「ジュン兄」が、突然失踪。4日目に「思うところあってしばらく家を出ます 潤一」というハガキが届いた…。毎日新聞小さな童話大賞、新美南吉児童文学賞、朝日...

県立高校2年、テニス部所属、ボーイフレンドなし、兄2人の5人家族という松本亜実の平穏な日常に、ある日事件が起こる。仲のいい下の兄貴「ジュン兄」が、突然失踪。4日目に「思うところあってしばらく家を出ます 潤一」というハガキが届いた…。毎日新聞小さな童話大賞、新美南吉児童文学賞、朝日新人文学賞、産経児童出版文化賞の大賞など受賞歴多数の著者による最新作。

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