教育社会学への招待 の商品レビュー
大阪学派の教育社会学とは、弱者の立場になって公正に教育を社会的に分析し社会的平等の不在を訴えていくことだそうで、この書は首尾一貫している。いじめ、子供の貧困、男女格差(実は男性も被害者)、部落問題(今は人権問題という言葉に変わってきている)、そして新たな問題としてのニューカマーな...
大阪学派の教育社会学とは、弱者の立場になって公正に教育を社会的に分析し社会的平等の不在を訴えていくことだそうで、この書は首尾一貫している。いじめ、子供の貧困、男女格差(実は男性も被害者)、部落問題(今は人権問題という言葉に変わってきている)、そして新たな問題としてのニューカマーなど、深刻な課題が次々に提示される。子供の貧困が学力差として世代間で引き継がれていくということの深刻さを改めて痛感した。戦後の長期間にわたる長欠児童生徒数のグラフの見事?なU字!登校拒否から不登校へ、大検から高認への呼び名の変更の背景も知らなかった事実。不登校経験者が何らかの進路を見つけている事実からポジティブにとらえる考えもあるというものの、明らかな不利は被っていることをこの書は厳しく指摘する。他にも衝撃の連続。いじめ苦による自殺という言説が、いじめ自殺への壁を低くしている可能性の指摘は初視点!そして新たな部落問題、つまり外からの低学歴・生活不安定層の流入を招いている!
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そもそも「教育社会学」って言葉が気になる。社会学系の研究には相当関心があるけど、一方で、日本は教育メカニズムが破たんしているという現状から、教育っていう視点でいろいろ考察していかないといけないですよね。
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