インパクション(174) の商品レビュー
左翼系雑誌『インパクション』による「雑色のペスト 現代排外主義批判」特集である。 特集目当てで買ったはいいが、どうも左翼の「レイシズム」や「ナショナリズム」などのいわゆる「左翼」専門用語に回収されていく様は残念。「在特会」などのいわゆる「排外主義」的な言動を表層的に、真面目...
左翼系雑誌『インパクション』による「雑色のペスト 現代排外主義批判」特集である。 特集目当てで買ったはいいが、どうも左翼の「レイシズム」や「ナショナリズム」などのいわゆる「左翼」専門用語に回収されていく様は残念。「在特会」などのいわゆる「排外主義」的な言動を表層的に、真面目に、ストレートに受け取りすぎており、その拒絶反応からこういった昔から使われてきた専門用語に回収されていくのだろうか。 もちろん「在特会」の言葉は醜悪を極め、「汚濁流」と形容されるにふさわしい喚きっぷりには辟易するのも致し方がないだろう。しかし、問題は、こういった活動へと彼らを引き寄せる「在特会」が問題ではなく、そもそもそういった「在特会」の行動へと向かってしまう―デモ活動にとりこまれる―人達を「何か」が爪弾きにしてしまっている、あるいは「在特会」活動への動機付けがしやすくなっているこの社会の状況ではないだろうか。 なぜなら、引きつけるものがなくなったとしても、その土壌はなくならないからである。 したがって、「左翼」の専門用語自体が、「在特会」をはじめとする「特ア」嫌悪の人びとを、「左翼」の方々は、その正義感と嫌悪感による激烈な情緒によって、より見えなくしており、より「異物」としての彼らへのまなざしをあきらめている。こういった「排外」と見える活動に携わる人々をより正確に把握するために必要なものは、嫌悪感ではなく、好奇心なんじゃなかろうか。
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