音楽と文学の対位法 の商品レビュー
ピアニストであり、作家でもある青柳いづみこさん。本著は各項ごとに一人の音楽家と一人の作家を照らし合わせて、それぞれの創作の奥に眠る「アーティストのこころ」を浮き出していくものです。 クラシック音楽の時代を生きた人々をテーマにしているとはいえ、特別何の知識も必要なく、心のままに読...
ピアニストであり、作家でもある青柳いづみこさん。本著は各項ごとに一人の音楽家と一人の作家を照らし合わせて、それぞれの創作の奥に眠る「アーティストのこころ」を浮き出していくものです。 クラシック音楽の時代を生きた人々をテーマにしているとはいえ、特別何の知識も必要なく、心のままに読み進めて当時のアーティスト達の心に想いを馳せることができました。 なめらかに音楽と文学の間でウエイトを変えていく文章はとてもみずみずしく魅力的。作品のテーマが筆者の創作を体現しているようでした。
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作曲家と同時代の文学者を比較した芸術論。 *モールァルト *シューマン&ホフマン *ショパン&ハイネ *ワーグナー *ラヴェル&ルーセル *ドビュッシー&ランボー 音楽は言語に縛られていると、常々思っていた。 言語に縛られているからこそ、フランス人の曲はフラ...
作曲家と同時代の文学者を比較した芸術論。 *モールァルト *シューマン&ホフマン *ショパン&ハイネ *ワーグナー *ラヴェル&ルーセル *ドビュッシー&ランボー 音楽は言語に縛られていると、常々思っていた。 言語に縛られているからこそ、フランス人の曲はフランス的で、ドイツ人の曲はドイツ的でしかない。6ヶ国語以上を自由に操っていたというモーツァルトは、だからこそ無国籍の匂いに満ちいている。 人は、言葉で考える。 そして、音楽は思想であり、思いなのだ。 毎度ながら、青柳いづみこの文は、明晰で潔い。 と同時に、彼女の祖父がフランス文学者であったという、DNAというかもしくは環境が培った素地みたいなものが、見え隠れしていて、決して一朝一夕ではなしえない芸術の深淵を垣間見た気にもなった。 にしても、もうちょっとマニアックな作曲家も取り上げてほしいですよ。 ま、それじゃ売れないからだめなんだろうけどね。
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ワーグナー、モーツァルト等の社会的背景が、音楽と文学、絵画の世界を自由自在に行き来しながら平易に斬新に叙情的に描かれる。
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