闇屋になりそこねた哲学者 の商品レビュー
日本に於けるハイデガー研究史の濫觴を知ることができ、興味は尽きない。何よりも、この作者の生き様を見て居ると、矢張りこの人物あって20世紀最大の哲学者に向かい合うことが出来たのだということを実感する。なんと言えばいいのか、、、研究者特有のけち臭さ、卑小さ、女々しさ、微細な権力欲、そ...
日本に於けるハイデガー研究史の濫觴を知ることができ、興味は尽きない。何よりも、この作者の生き様を見て居ると、矢張りこの人物あって20世紀最大の哲学者に向かい合うことが出来たのだということを実感する。なんと言えばいいのか、、、研究者特有のけち臭さ、卑小さ、女々しさ、微細な権力欲、そういったものとは無縁の、天地俯仰して恥じることのないすがすがしい生き方。学問を為す者に、かつては雄風というものがあった。
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広島に原爆が投下されたのを江田島で経験した、もと海軍兵学校生だった少年が、この国を代表する哲学者の一人になります。 ぼくたちの世代で現象学に興味を持った人は、フランス語やドイツ語ができるならともかく、大概の人はこの人の翻訳のお世話になって、「うちのめされた」と思います。 老...
広島に原爆が投下されたのを江田島で経験した、もと海軍兵学校生だった少年が、この国を代表する哲学者の一人になります。 ぼくたちの世代で現象学に興味を持った人は、フランス語やドイツ語ができるならともかく、大概の人はこの人の翻訳のお世話になって、「うちのめされた」と思います。 老いた哲学者は希代の語り手になって、チャンバラ小説から人生論まで縦横無尽ですが、彼は江田島で原爆を見て、闇屋をして家族の糊口を支えた青年だったことは、もちろん出会ったこともない人ですが、ぼくの彼に対する信頼を支えていると思います。 感想はブログをどうぞ。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201909110000/
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ハイデガー研究の大御所が、自らの半生とそれに関わる人々について、包み隠さず、歯に衣着せず、遠慮会釈なく、自由に語りる。読んでいて痛快この上ない。こんな風に生きられたら、とうらやましく思う。また、現象学周辺のブックガイドとしても読めるし、哲学研究のあり方論としても読める。木田元の著...
ハイデガー研究の大御所が、自らの半生とそれに関わる人々について、包み隠さず、歯に衣着せず、遠慮会釈なく、自由に語りる。読んでいて痛快この上ない。こんな風に生きられたら、とうらやましく思う。また、現象学周辺のブックガイドとしても読めるし、哲学研究のあり方論としても読める。木田元の著作が好きなら、読むべき本である。
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【あらすじ】 木田元という哲学者がどのように若い時に生きて、哲学者になったかの自伝。 【感想】 何がきっかけでこの本を取ったのか思い出せないが、非常に読みやすい語り口だと思った。 この人が大成したのは色々な要因があるんだろうけど、私が思うにとにかく人と触れ合うことが好きだったから...
【あらすじ】 木田元という哲学者がどのように若い時に生きて、哲学者になったかの自伝。 【感想】 何がきっかけでこの本を取ったのか思い出せないが、非常に読みやすい語り口だと思った。 この人が大成したのは色々な要因があるんだろうけど、私が思うにとにかく人と触れ合うことが好きだったからだと思う。本の中にはかなり多くの人が出てくるが、どの人についてもよく知っていて、何かしらのエピソードを交えて語れるのは、すごいと思う。 あと、哲学については詳しくないので、よくわからないが、語学の勉強方法や語学の勉強が精神を安定させる効果があるという話は興味深かった。
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今夏亡くなられた哲学者の青春時代をインタビュー形式でまとめたもの。 全く作者のことは知らなかった。新聞の訃報欄で「闇屋」、「哲学」というとんでもなくミスマッチな紹介に触れ、一読。 闇屋を経て大学に入るまでの過程も面白いが、大学に入ってからの猛勉強ぶりには驚かされる。そして思うのだ...
今夏亡くなられた哲学者の青春時代をインタビュー形式でまとめたもの。 全く作者のことは知らなかった。新聞の訃報欄で「闇屋」、「哲学」というとんでもなくミスマッチな紹介に触れ、一読。 闇屋を経て大学に入るまでの過程も面白いが、大学に入ってからの猛勉強ぶりには驚かされる。そして思うのだ。私は哲学者には成れないな、と。
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タイトルが面白かったので購入。 気にはなっていた哲学者で、老境に入ってからの自伝。 これが滅法面白かった。 哲学者っていうといつも難しそうな顔をして考え込んでいるというイメージがあると思うが、随分豪快。 戦後とはいえ、かなり無茶をして生きていたことが分かる。 そこからド...
タイトルが面白かったので購入。 気にはなっていた哲学者で、老境に入ってからの自伝。 これが滅法面白かった。 哲学者っていうといつも難しそうな顔をして考え込んでいるというイメージがあると思うが、随分豪快。 戦後とはいえ、かなり無茶をして生きていたことが分かる。 そこからドストエフスキーやキルケゴールを読み、ハイデカーを読みたくなって勉強し、東北大学へ。 普通にヤクザになっていてもおかしくはなかったのだろうが、そこは素晴らしい血統を持った家柄の遺伝子が勝ったような気はした。 序盤から家柄について多くを費やしているので本人も意識していたとは思う(勉強できなかったとは言っているものの)。 この時代の文系って原書で文芸書や哲学書を普通に読んでいた非常に頭が良く勉強熱心というイメージが強いのだが、この人なんかはまさにそう。 神経が衰弱している時には語学を学ぶのが良いそうだ(安吾も同じことをしていたらしい)。 このことを知れただけでもこの本に出会えてよかった。 暇つぶしに語学やってみよう。 後半は普通に現象学の概論とか本の宣伝めいた部分もあってやや退屈な部分もあったが、全体としては星4つはつけられると思う。 とりあえずこの人のハイデカー論は読もう。
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何気なく本屋を覗いてみたら並んでいた本。ついレジへ....。読み出したら思わず、引き込まれてしまった。もっと若い頃に読めればよかったのに、と思った。若い頃影響を受けたシュリーマンの「古代への情熱」を思い出した。こんなに波瀾万丈の人生を送られた哲学者だとは思わなかった。 是非と...
何気なく本屋を覗いてみたら並んでいた本。ついレジへ....。読み出したら思わず、引き込まれてしまった。もっと若い頃に読めればよかったのに、と思った。若い頃影響を受けたシュリーマンの「古代への情熱」を思い出した。こんなに波瀾万丈の人生を送られた哲学者だとは思わなかった。 是非とも若い人に読んで欲しい!
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