総括・介護保険の10年 の商品レビュー
2000年に始まった介護保険制度。 まる10年が経過したとき出された本。 へえ、こういう本もあるんだ。 あまり面白い本とはいえませんが… 「これからの介護保険が目指すべきは、「地域包括ケアシステム」を確立することだと言われることがある。…しかし、こういうシステムは、地域によっ...
2000年に始まった介護保険制度。 まる10年が経過したとき出された本。 へえ、こういう本もあるんだ。 あまり面白い本とはいえませんが… 「これからの介護保険が目指すべきは、「地域包括ケアシステム」を確立することだと言われることがある。…しかし、こういうシステムは、地域によって様々に異なる"人と人とのネットワーク"によって支えられるのであるから、制度の立場から一律に、あるべき姿を示し、その構築を進めるということには無理がある。…そもそも、現場のサービスの在り方を制度が動かすという発想は思い上がりなのだ。制度がなすべきことは、財政の枠組みをしっかり整えて、あとは現場における取り組みを待つという姿勢だろう。…国や都道府県の立場でできることがあるとすれば、先駆的な試みを行っている現場の事例を収集し、それを全国に紹介・奨励していく… "ヴィジョン"がないと言われれば、政治家も行政官も無能の烙印を押されたような気になる。そこで、過去のデータを外挿して描く貧相な未来を前提にあれこれ言うか、特定の理論やスローガンを当てはめてそれで割り切ろうとするか、いずれにしろ無理なことをする仕儀となるのだ…それらは、現場を縛って自由な取り組みを抑制することになるばかりでなく、現前する変化を見過ごし、それに柔軟に対応する機会を奪ってしまうだろう…サービスの現場の問題は、現場に任せればよいのである…もちろん、現場も、国や制度への依存体質を脱し、自分たちが日本のケアを創っていくという気概を持たなければならない。被保険者自治や当事者参加により地方や現場から作っていくという介護保険の原点にもう一度立ち戻りたいものである。」 (p20-21 介護保険創設時を顧みて 元厚生労働省老健局長・大阪大学教授:堤修三)
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