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名作童話を読む 未明・賢治・南吉 の商品レビュー

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2017/01/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

冬休みの間に、児童文学に関するものでも読むかー!と思って、借りてきた本です。3人の童話作家について、それぞれの章で編者を交えた童話研究者・実作者の3人での鼎談をまとめた内容。全体としては専門的すぎず、一般向けすぎずの雰囲気でした。 未明と賢治はそこそこ数を読んでいるのでよく分かったのですが、南吉は作品をほんの少ししか読んだことがなくて、ちょっと納得までいくのが難しかったです…その代わり大学の教職の講義で、教材として「ごんぎつね」はかなり精読してるので、ごんぎつねの章だけはすらすら読めましたw 名作童話を読もう、というタイトルの割には童話本文の掲載はないですし、どちらかというと作家メインのお話だったかな。3人の童話作家を比較して話す部分もあったので、作品を読むというよりは作家を読む、という感じの内容でした。 感想としてはまあまあ面白かったです。なるほど~と思う部分と、それはどうなの?という部分と、よく分からん…な部分がそれぞれありました。 私自身が外国児童文学が好きなのと、これまで児童文学研究的なものは作家さんが書かれている本を読むことが多く、戦前・戦後の児童文学に疎かったので、戦後に反未明的な動きがあったというのは驚きでした。明らかに未明は大人向け、そうでなくとも王道ではないと認識していたんだけど、それは現代からの見方だったんだなあ。古田足日なんかはとても好きだったのですが、そういえば確かに大人になってから何度も再読するタイプの作品ではないのかなとも思います。 また南吉の作品をいろいろ読んでから読み返してみたいです。戦前・戦後の児童文学についての研究も知りたくなったし、読んでよかったなとは思いました。

Posted byブクログ