認知物語論キーワード の商品レビュー
文学作品を認知科学の用語を使って分析するならこういう視点で見られるという切り口は与えているけれど,「で?」という感じが残る。たぶん読み手の認知の個人差に対する言及をしないからだろう。キーワードごとにさらっと概観する本として作ってあるから目的はそこにないとは思うけど,例えば今回「桜...
文学作品を認知科学の用語を使って分析するならこういう視点で見られるという切り口は与えているけれど,「で?」という感じが残る。たぶん読み手の認知の個人差に対する言及をしないからだろう。キーワードごとにさらっと概観する本として作ってあるから目的はそこにないとは思うけど,例えば今回「桜の樹の下には」を例に語ったように,作品を特定してより個人差を想定した分析をしたら具体的になるのではないかなーなんて妄想が膨らみました。しかしそれをすると一般性を語る科学からはどんどん離れていくんだけど…。うーん,むずかしいね。でも思考のヒントは得られました。
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