知らないではすまされないマネジメントのためのIFRS の商品レビュー
いまいち日本の会計と税務がかみ合っていないような気がしていた点がとりあえず解消されてよかった。勿論、会計の目的は正しい経営成績と財務状態を示すことであり、税務の目的は公平な課税を目指しているわけなのだから違って当然なのだけど、実際の作業の煩雑さなどを鑑みれば、両者はどう見ても対応...
いまいち日本の会計と税務がかみ合っていないような気がしていた点がとりあえず解消されてよかった。勿論、会計の目的は正しい経営成績と財務状態を示すことであり、税務の目的は公平な課税を目指しているわけなのだから違って当然なのだけど、実際の作業の煩雑さなどを鑑みれば、両者はどう見ても対応しているべきなのだ。要するに過剰な損金算入を調整するくらいで実際はいいはずなのだが、おいそれとはいかない。で、なんで自分の違和感があったのかと言えば、「日本の会計は国際的な会計基準にコンバージェンスするためにどんどん変わっていっている」というのがその正体らしい。このコンバージェンスによって日本の会計と税務はどんどん距離が開いていってしまっているようだ。しかし、本書によれば、距離が開いているのはそれだけではなく、会計が金融とくっつき、経営から離れていってしまっているということだ。日本の会計では「経営に資する」というのは非常に大きなポイントなのだが、国際会計基準(=IFRS)は、どうにも投資家目線らしい。だからこそのデューデリ会計でありインベストメント会計といことらしい。投資家が知りたいのは、「企業価値」だ。それも、「今現在の企業価値」だ。ということで、早い話、「なんでもかんでも時価評価してしまえ」という方向に流れているらしい。まあ、しかし、投資家といってもいろんな投資家がいる。長期的な視点に立っている人もいれば、短期的に株価の変動で儲けたいだけの人もいる。そして、IFRSはこの「短期的に変動で儲けたいだけ」の、いわゆるファンドだとかの「株式市場荒らし」みたいな人に「資する会計」らしい。といことで、著者がこの本を書いた頃には、IFRSをアドプション(=採用)方向だったらしい、多分、コンバージェンス(=収斂)どまりになるのだろうなというのが今時分なのだろう。資産除去債務は採用されたが、研究開発費に関しては開発費とだぶるようなら全て費用処理してしまえというのが今現在らしい。とりあえず、なんでもそうらしいんだけれど、日本人は語学が苦手だから損をしているというのは会計にも当てはまるんだろうなと感じる。理に適っていても主張できない。
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2年前に購入したがようやく読了。比較的薄い割には内容はそんなに簡単ではなく、会計の専門用語が分かっている前提で書かれているので(そのあたりの説明はもっと書かれてた方が良かったと思う)、楽に読める本ではないが、IFRSのポイントを、PLベースの期間損益の考え方よりも、M&A...
2年前に購入したがようやく読了。比較的薄い割には内容はそんなに簡単ではなく、会計の専門用語が分かっている前提で書かれているので(そのあたりの説明はもっと書かれてた方が良かったと思う)、楽に読める本ではないが、IFRSのポイントを、PLベースの期間損益の考え方よりも、M&Aの際に重要になる企業価値(特に純資産)の測定、つまりはBSベースに重きが置かれるという1つのパラダイムシフトであるという点から説明しており、全体の論旨も明確であることから、最初に読むIFRS本としては良かったと思っている。徒に制度変更に振り回されるのではなく、自社の経営の本質は変えることなく利用できる点があれば利用すれば良いという割り切りは同意できる。
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IFRSは投資家のための会計制度、という主張はとても分かりやすかった。加えて著者が反対している単体決算への適用については、問題になりうるところが指摘されていて、納得できた。
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IFRSに何となく流される前に、その本質を学ぶにはうってつけの本。本質を考えることなく、制度対応に追われることの虚しさ。前職の時から、好きだった先生の本ということで。
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コンパクトながら、IFRSの本質を理解するにはもってこい。IFRSはマネジメント会計ではなく、インベストメント会計だと割り切って対応するスタンスも、実務に携わる人間として実感に合う。
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中途半端な状態の頭を整理整頓(想像?)させてくれた。筆者も「なんでやるのか意味解らない」などの親しみがわく話を展開してくれており読みやすい本。入門書的にはもってこいかと。
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「IFRSとは一体何なのか?」 この問いに対して、現行会計処理とIFRS上の処理の相違についての説明にとどまらず、本質的に迫る良書。 会計オンチの私でも無理なく読みこなすことができた。 会計は何のために、誰のためにあるのか、 ということを徹底して説いており、そこに日本的会計とI...
「IFRSとは一体何なのか?」 この問いに対して、現行会計処理とIFRS上の処理の相違についての説明にとどまらず、本質的に迫る良書。 会計オンチの私でも無理なく読みこなすことができた。 会計は何のために、誰のためにあるのか、 ということを徹底して説いており、そこに日本的会計とIFRSの根本的な違いがあるという著者の考えにブレがないので、 記述に矛盾などもなく読んでいて心地よかった。 著者の熱意を感じる超良書。
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