私自身の見えない徴 の商品レビュー
この評価は妥当ではないことを予めお伝えします。訳者後書きを読ませていただいても、なかなか難しいものでして、私がどう解釈すれば良いのかわからないということが正直な感想です。でも何かわかるような気がするが言葉で表せないのです。不甲斐ない。
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「病気」になってしまったパパ。算数の先生になって出会ったあの子。いつかはみんな死んでしまうと受け入れることへの悲しみ。モナ先生の数字は何にでもなれる、悲しみを掬う言葉にもなれる。最後の物語を声にしたら、モナ先生のしるしに触れられるかもしれない。触れたい。 ベンダー作品はほんとに...
「病気」になってしまったパパ。算数の先生になって出会ったあの子。いつかはみんな死んでしまうと受け入れることへの悲しみ。モナ先生の数字は何にでもなれる、悲しみを掬う言葉にもなれる。最後の物語を声にしたら、モナ先生のしるしに触れられるかもしれない。触れたい。 ベンダー作品はほんとに管啓次郎氏の訳が良い この方の言葉にしてベンダーの作品は日本語にされるべきという強い共鳴がある 薄い膜を一枚隔てたような悲しみと寂しさの音が鳴って、みんな鈴のような声で話す 小説なのに長い詩を読んでるみたいだなとずっと思ってたら管氏は詩人であったですよね!!そうだろうと思っていた!!!
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『燃えるスカートの少女』で打ちのめされたはずのに、どうしてこの本を手に取ったのか、いまとなっては思い出せない。 細部に突っかかって仕方がないので 詩を読むように、あまり細かい部分は気にせずに 長い時間をかけて、雰囲気を味わうようにして読んだ。 なんだか詩人になった気分だ。 ...
『燃えるスカートの少女』で打ちのめされたはずのに、どうしてこの本を手に取ったのか、いまとなっては思い出せない。 細部に突っかかって仕方がないので 詩を読むように、あまり細かい部分は気にせずに 長い時間をかけて、雰囲気を味わうようにして読んだ。 なんだか詩人になった気分だ。 やはり受け入れない。相容れない。 センチメンタルは凡人には厳しい。
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“先生の目ってちいちゃな青い0みたい” 10歳の時に父親が原因不明の病になり、モナは「止めること」を始めた。唯一続けたのは木をノックすること、そして数学。父の病は癒されず、世界は色を失いながら彼女は大人になった。20歳を過ぎたある日、小学校で算数を教えることになったモナ。個...
“先生の目ってちいちゃな青い0みたい” 10歳の時に父親が原因不明の病になり、モナは「止めること」を始めた。唯一続けたのは木をノックすること、そして数学。父の病は癒されず、世界は色を失いながら彼女は大人になった。20歳を過ぎたある日、小学校で算数を教えることになったモナ。個性ばらばら、手に負えない子供たちと交わりながら、閉じていた彼女の世界が否応なく開かれてゆく―。 「15が沈んでゆくのが見えた」 あなたを愛している誰かが、これは少なくとも部分的にはうそだとお互いに本当は心の底で分かっていることを何とか信じようと無理しているのを見るのは、やっぱりすごくひどい、すごくいやな事。 「42のときには、そんなことかまっちゃいないさ」 プラスチック・カップと要求の多い親たちでいっぱいの明るい部屋に私はいた。彼は外にいて、空気は暗く透き通り、つかのまの薄い惑星を作り出そうとしている。 「1かける世界はなんだ?」 死というものは、私たちの身体のどこかに隠されているのかもしれないと考えていた。まとまりのない、薄い色の小粒。今では私は、私自身の見えない看板を背中にしょっているのだった。 『燃えるスカートの少女』で知られるエイミー・ベンダーの初長編作。今はまだ見えなくても、やがて訪れる別れの影を感じたとき、少年少女は何を知るのか。守るものと守るべきもの。悲劇も、空想も、快楽も全部ふくめて。『ジェシカ・アルバの“しあわせの方程式”』という邦名で映画化もされています。 そんなお話。
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読めば読むほど寂しい気持ちになって困った。 燃えるスカートの少女ではあんなに癇に障った翻訳、今回は全然気にならなかった。 『ねえジュディ、そうしたかったら、と父はいった。きみひとりで旅行にいってもいいよ。カメラを持っていって、撮った写真を見せてくれよ。 会話のあいだ母は別に何も...
読めば読むほど寂しい気持ちになって困った。 燃えるスカートの少女ではあんなに癇に障った翻訳、今回は全然気にならなかった。 『ねえジュディ、そうしたかったら、と父はいった。きみひとりで旅行にいってもいいよ。カメラを持っていって、撮った写真を見せてくれよ。 会話のあいだ母は別に何も感じていないようだったが、突然、声がぽきんと半分に折れるのが聞こえた。だってあなたと行きたいのよ、と母はいった。 母のそんなに幼い声は聞いたことがなかった。』 『あなたを愛しているだれかが、これは少なくとも部分的にはうそだとお互いにほんとうは心の底でわかっていることを何とか信じようと無理しているのを見るのは、やっぱりすごくひどい、すごくいやなことよ。』
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すべてが順調に進行していくなら、私たちはさびしさを抱えつつも生きてゆくーまず泣きそれから歩くのだからーだろうが、私たちを何よりもこてんぱんに打ちのめすのは、順番をはずれて何かが失われるとき。 p269より
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エイミベンダーの小説は、訳書特有のカクカクさがすくなくて、よみやすい。 本書は少々退屈だった。 ものすごくうるさくてありえないほど近いの映画をみたときの感覚。 読み込めばおもしろいんだろなーていう。 短編のほうが好きだったな。 童話から始まり童話に終わるところは よかった。
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著者の短編がどストライクだったので読んでみた。短編の面白さに水を加えて薄く伸ばした感じ。エイミー・ベンダーの特徴のある比喩や不思議な話は、きっと短いからこそ心地よいのであって、長いと少し疲れてしまった。期待していただけに残念。
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あたしは大きな検討違いをしていた。 短編集『燃えるスカートの少女』を経てからのこの長編だったのだが 予想をはるかに上回った作品だった。 ふわふわと不思議な世界観が、ページをめくる度にいろんな時間軸で描かれていて、この掴み所のないまま話は続くのだろうかと思ったいたのだが 仮にそこ...
あたしは大きな検討違いをしていた。 短編集『燃えるスカートの少女』を経てからのこの長編だったのだが 予想をはるかに上回った作品だった。 ふわふわと不思議な世界観が、ページをめくる度にいろんな時間軸で描かれていて、この掴み所のないまま話は続くのだろうかと思ったいたのだが 仮にそこで投げ出した人がいたら、嘲笑ってやりたい。 ページが終わりに近づくにつれ、主人公モナの感じるちょっとした動揺やら安堵やらが痛いほど感じられるのだ。苦しくて、息が詰まった。 彼女の魅力は本当に未だ未知数で、もっと知りたい。もっと読みたい。 この作家はあたしの中で今年一番といいたい。
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前作、「燃えるスカートの少女」が面白かったので。 今度は長編らしいが、短編の時と同じように独特な世界観と言語感覚で書かれている。 日本で言うとちょっと小川洋子っぽいのかな。 細やかな描写や観察力に感服。
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