古代史で楽しむ万葉集 の商品レビュー
万葉集の歌がどのように生まれたのか、古代の歴史をひもとくことでその背景と由来を語る。天智帝から持統帝の時代に起きた有間皇子や大津皇子の悲劇、大伯皇女の悲しみ、高市皇子と十市皇女の悲恋、穂積皇子と但馬皇女の激しい恋など、愛と哀しみが自分の心をみつめることにつながり、数々の歌が生まれ...
万葉集の歌がどのように生まれたのか、古代の歴史をひもとくことでその背景と由来を語る。天智帝から持統帝の時代に起きた有間皇子や大津皇子の悲劇、大伯皇女の悲しみ、高市皇子と十市皇女の悲恋、穂積皇子と但馬皇女の激しい恋など、愛と哀しみが自分の心をみつめることにつながり、数々の歌が生まれた。柿本人麻呂は、律令国家へと歩みゆく日本の青春を天皇賛歌に託して歌った。しかし、出来上がった藤原京や平城京は理想とは遠く、やはり権謀術数と人間の醜さが渦巻いていた。そして、大伴旅人や家持は歌に救いを求めた。その救いは、苦しい生活を強いられた民衆にこそ必要だった。だからこそ、無名の人々の歌には家族や男女の愛があふれている。
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万葉集の解説書としても、歴史の解説書としても、少し物足りない印象。 ただ、万葉集、とりわけ悲恋の歌を通して著者が皇子や皇女を見た章を興味深く読みました。 また、教科書からはこぼれ落ちる苦しい庶民の生活への言及も興味深かったです。
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元号の決定に重要な役割だったとされる筆者。万葉集研究の大家による古代史。 万葉集の歌そのものより背景となる歴史を語る1冊。歌はそれほど多くは出てこなく、また歌の解説は少ないので、単に歌の鑑賞のためなら他の本を当たった方が良い。 ある程度、万葉集を読み込んだ人向けの内容のように...
元号の決定に重要な役割だったとされる筆者。万葉集研究の大家による古代史。 万葉集の歌そのものより背景となる歴史を語る1冊。歌はそれほど多くは出てこなく、また歌の解説は少ないので、単に歌の鑑賞のためなら他の本を当たった方が良い。 ある程度、万葉集を読み込んだ人向けの内容のように思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近、古典に興味持ち、文庫本を読み漁っているのですが、角川ソフィア、読みやすいです! それに加えて、本書は、万葉集の代表的な詩歌と、それが詠まれた背景は書かれており楽しく読めます。 「中大兄が万葉に残す歌は少なくてその心情をさほど伝えてはいないけれども、九州の地に死した母帝の亡骸をいだいて大和に帰るとき、 君が目の 恋しからに 泊てて居て かくや恋ひむも 君が目を欲り と母をしたっている。(中略) 大化以後はまことに古代史における一大転換の時であった。それなりに新時代の誕生は輝かしくはあったけれども、一面それは血と非情を代価として得た輝きであった。その非情の歴史の中に非情たり得ないのが人間だからである。この人間にささえられて、万葉集は芽ばえた。」(p.49) この解説を読んで、以前ニュースで、3.11の震災について、被災地の方々が川柳を読む会を開いていたことを思い出しました。 そのニュースでは、震災の辛い経験を川柳に載せることで、辛さが昇華されるのだと、心理学者が解説をいれていました。 辛い時、美しい詩歌に載せてうたうことができる文化を持つ日本人。 それを理解できり日本人で良かったな、と思いました。
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本のタイトル通り、万葉集の時代背景や歌人の人物像と歌とを、事実と考察と筆者自身の豊かな想像力で解説している。万葉集の入門口。堅すぎず、しかしけして飛躍しすぎないバランスだと思います。
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