異常とは何か の商品レビュー
結局、今の時代のうつの多さも、歴史が何かしらの証明を出すんではないだろうか。あの時代は病んでいた、と。まともって何だろうと深く考えさせる一冊。
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魔女狩りの対象となった女性たちの多くは農村の主婦、老婆、サンバ、占い師、ユダヤ人などであった。 父権的宗教たるユダヤ・キリスト教が台頭すると、男性神としての唯一神が崇拝され、女性の地位は下落する。 日本が自殺基本法という法律まで創ったのは、OECDの中でハンガリーに次いで2番目に...
魔女狩りの対象となった女性たちの多くは農村の主婦、老婆、サンバ、占い師、ユダヤ人などであった。 父権的宗教たるユダヤ・キリスト教が台頭すると、男性神としての唯一神が崇拝され、女性の地位は下落する。 日本が自殺基本法という法律まで創ったのは、OECDの中でハンガリーに次いで2番目に高い自殺率が国家のはじであるという動議があった。 ヒトラーとナチズムの人種イデオロギーの最終目標は、優秀なドイツ民族が世界を制覇し、列島なユダヤ人種が地上から根絶されることであった。その思想がすでに異常だ。 アウシュビッツは決して野蛮な産物ではなかった。むしろ一連の工業化された大量殺人の過程は高度な文化、科学によって生み出されたものであり、すべてを無駄なく利用するという経済的な効率が最大限に活かされたところにその特徴がある。
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さすがに『アイヒマン調書』を訳した方。期待を裏切らず、知識が幅広く、読みながら、様々な視点、角度より、この「奥深いテーマ」について、考えさせられた。「あとがき」に記されているように「十分に語りきれなかった」部分はもちろんあるだろうが(むしろ、あって然るべきだろうが)ぜひ、続編を期...
さすがに『アイヒマン調書』を訳した方。期待を裏切らず、知識が幅広く、読みながら、様々な視点、角度より、この「奥深いテーマ」について、考えさせられた。「あとがき」に記されているように「十分に語りきれなかった」部分はもちろんあるだろうが(むしろ、あって然るべきだろうが)ぜひ、続編を期待したい。
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まだ途中であるがなかなか読みがいがある。こういった本は買った時のモチベーションが続かないと積本になってしまうので中が必要である。正常と異常の境界はどこなんでしょうねぇ・・・?
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医学の立場から広く社会を見ての「異常」論。基本的に数が少ないものを異常として排除する差別のメカニズムであることが前半で述べられる。またこの本の白眉は、正常を追求していくと異常になるとか、正常と異常の裏腹の関係について述べている部分だ。正常と異常を対立するものとする弊害を取り除くた...
医学の立場から広く社会を見ての「異常」論。基本的に数が少ないものを異常として排除する差別のメカニズムであることが前半で述べられる。またこの本の白眉は、正常を追求していくと異常になるとか、正常と異常の裏腹の関係について述べている部分だ。正常と異常を対立するものとする弊害を取り除くためにグラデーションで説明するモデル(たとえばセクシュアル・マイノリティについての説明などでは頻繁に用いられる)だと、結局ものごとに序列がついて排除の対象になるので、メビウスの輪のように片方の極からもう片方の極へいつのまにか行ってしまうようなモデルで考えよう、というところは、まだ説明としては煮詰まっていないけれども、そうだよなぁと思ってしまう。実例としては精神医学などでの異常の病理化について、ホロコーストについて、など読み応えのあるところがいくつもある。ナチスの中枢にいた人々が、めちゃめちゃ鬼のような異常者とかではなくて、むしろ小心なまじめな人(ただし、もう必死にまじめな「メランコリー型性格」と言われる人々)である話など。議論の中で必要な書籍を紹介してくれるところがうれしい。
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