地下水道 の商品レビュー

白汚零【文・写真】

2022/06/21

下水道の写真集。
普段はほとんど気に掛けないけど、雨の日に道路脇の排水口に流れ込む雨水を見て、この地下水道のことを考えることはあった。
地下空間の神秘性やいろいろな姿に形を変えて流れる水の美しさを感じるし、狭さや暗さ、押し寄せる水からくる恐怖感もある。
著者の幼少期の夢に起因し、やがて著者のライフワークとなったようだ。

2016/01/18

一般人は立ち入れない地下水道を撮影した写真集。
一部は宇宙船のなかのようで「ほぇ～っ♪」と思いました。

やっぱりニオイとかもあるそうだし、そもそも許可がないと入れない場所だし、こういった写真集を見ると自分が知らない世界が足元にあるのか…と思って、世界が広がるよ。

なかなか面白かったです。

2016/01/18

地下水道って、下水？上水？そういえば、下水道と上水道ってどうなってるんだっけ。別々に流れてることくらいしか知らない。

いつも歩いている地面の下には、異界が広がっていた。みたいな写真集。
でもその異界は、普通に生きていく上で無くてはならない場所なんだよね。
美しいとはとても言えない場所に潜む美しさを見い出している。独特の感性だ。

2011/10/18

著者が25年以上に渡って撮り続けた地下水道の写真集。都市の地下ってこうなっているんだという発見があります。モノクロなのがイイネ。

2011/03/06

どこか傍観者になってしまう。
私のいる世界には存在していないかと思わされる、まやかし。進めば進ほど私と地下水道との関係が希薄になり、そのもの物語を読んでいるかのような錯覚にも陥る。それがどこか孤独だった。
けれども一瞬にして現実を突きつけられる。ほんと一瞬にして。地下水道は人体に似ている。いや、人体そのものである。

2010/05/29

足下に張り巡る世界。

地下水道をこれでもか、と集めてきた本。
カラーもあるが、モノクロの方が実際の地下水道に近しく感じられる。水の勢いまでが伝わってくる。
独特の暗闇に引き込まれる、怖い魅力の詰まった水の道。
数ページ読んで、著者の地下水道への強い想いを感じた。
先にぽっかりと口を空ける円。それは黒いものもあり、白いものもある。
どちらも、こことは違うどこかであり、未知への誘いである。

これほど静謐で激しい世界があるだろうか。