わが友マキアヴェッリ(3) の商品レビュー
「君主論」とか「マキャヴェリズム」とか、かたくて難しくて全然読む気になれないと思ってたけれど、マキャベリは親しみのもてるオッサンだったし、チェーザレを読んだ後だと君主論もすごく読みたくなった。
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学生時代から読み続けてるので、塩野七生さんだから読み始めました。塩野七生さんのマキアヴェッリへの愛情が溢れる分、ちょっと読みにくい感じでした。 でも私は塩野七生さんもマキアヴェッリもかっこいいです。
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三巻の読後感は、ちょっとした山を登り終えた感じだった。マキャベリの君主論には随分前から興味を持っていたが、当時のヨーロッパ史について疎い私にとってはそれなりしんどい作業であった。それでも読み終えて爽やかな気持ちになれたのは、冷たいイメージのあったマキャベリが、至極人間臭く感じられ...
三巻の読後感は、ちょっとした山を登り終えた感じだった。マキャベリの君主論には随分前から興味を持っていたが、当時のヨーロッパ史について疎い私にとってはそれなりしんどい作業であった。それでも読み終えて爽やかな気持ちになれたのは、冷たいイメージのあったマキャベリが、至極人間臭く感じられたからだった。またしばらくして読み返したいシリーズでした。
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11/9/4 メディチ家が再びフィレンツェで権力を握り、マキアヴェッリは官僚を辞めさせられる。君主論執筆。ドイツ・スペイン対フランス。コニャック同盟でイタリア同盟軍はフランス側に。外交上の不手際でイタリアがスペイン軍の戦場に。イタリア同盟軍は法王クレメンテ7世の無能さもあり、戦わ...
11/9/4 メディチ家が再びフィレンツェで権力を握り、マキアヴェッリは官僚を辞めさせられる。君主論執筆。ドイツ・スペイン対フランス。コニャック同盟でイタリア同盟軍はフランス側に。外交上の不手際でイタリアがスペイン軍の戦場に。イタリア同盟軍は法王クレメンテ7世の無能さもあり、戦わずしてローマは占領される。ローマ略奪。法王とスペイン王カルロスとの講話によりイタリア半島はスペインのものに。 上層部の無能さが本当に国を滅ぼす事を実感。恐ろしい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
色々と祖国のために動いても、最終的にはマキャベリの思惑通りには進まない状況になっていく姿が悲しかった。 「この墓の下に、彼の骨はない。」という一文がより深い感慨を抱いてしまいました。
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題名から、最初は歴史小説だと思った。 しかしこの書は、評伝だった。 しかも著者が「友」として、 マキアヴェッリの生涯を愛溢れる筆致で綴った、素晴らしい作品だった。 ルネサンス花盛りのフィレンツェに生を受けたマキアヴェッリが、日に日に傾いていく都市国家フィレンツェの官僚として...
題名から、最初は歴史小説だと思った。 しかしこの書は、評伝だった。 しかも著者が「友」として、 マキアヴェッリの生涯を愛溢れる筆致で綴った、素晴らしい作品だった。 ルネサンス花盛りのフィレンツェに生を受けたマキアヴェッリが、日に日に傾いていく都市国家フィレンツェの官僚として東奔西走するも、時代の流れと政争に巻き込まれて失脚し、ついには代表作とも言える「君主論」を書く他なくなってく過程を、丹念に、時には大胆に、しかし常に愛ある言葉で描写している。 都市型国家の時代から領土型国家への移行期に当たる15世紀末から16世紀初頭にかけて、すでに領土型に移行してたフランスやスペインと、都市型からの脱却ができなかったイタリア半島諸国の、明確に「勝者」と「敗者」にわかれていく中で、その「敗者」になりつつある立場にたったマキアヴェッリが、何を見、何を考えたか。 そして、それがいかに彼の著作に影を落としてくのか。 それこそが本作の最もキモで、著者が最も表現したかったところだろう。 本書を読んだら、すでに読んだことがある人もない人も「君主論」を紐解きたくなるだろう。 ああ、同じ塩野氏の「チェーザレ・ボルジア あるいは華麗なる冷酷」、「海の都の物語」も読み返したくなってきた。 こうして物語は続いていく。
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マキアヴェッリ(世界史の教科書で肖像画がキモいという定評)が生きた時代の マキアヴェッリの個人史 フィレンツェの変遷 イタリア半島の国際状況 がかなりよくまとめられている。 個人の考え、それを醸成したフィレンツェの環境、及びイタリア内の都市国家の関係、さらにイタリアを取り...
マキアヴェッリ(世界史の教科書で肖像画がキモいという定評)が生きた時代の マキアヴェッリの個人史 フィレンツェの変遷 イタリア半島の国際状況 がかなりよくまとめられている。 個人の考え、それを醸成したフィレンツェの環境、及びイタリア内の都市国家の関係、さらにイタリアを取り巻くドイツ、フランス、スペインの国際関係のかなり違う階層の話をうまく繋げている。 マキアヴェッリのかの有名な「君主論」ができるまでの話という感じだけど、そこに歴史を織り込むのがやはりうまいなー。 ルネッサンス時代のイタリア史の勉強にも役に立つ。
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君主論しか知らなかったが、ノンキャリ官僚で失業後、君主論、政略論、戦略論を書いた人間マキャヴェッリには現代と変わらない人生があった。当時の社会・制度、暮らし、彼の人柄、都市国家フィレンツェの終焉など、いつもながら、塩野氏の本は興味深い。
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公職を追放され、文筆家として歩み出したマキアヴェッリの後半生。帯の惹句を引用すれば、「一人の官僚が去り、政治思想家が生まれた」というわけです。 ほとんど自主的に山荘に隠居して、あとは田舎で著作に励んでいたのかと思いきや、第二部よりも活発に思えるくらいちゃんと友人と交流している...
公職を追放され、文筆家として歩み出したマキアヴェッリの後半生。帯の惹句を引用すれば、「一人の官僚が去り、政治思想家が生まれた」というわけです。 ほとんど自主的に山荘に隠居して、あとは田舎で著作に励んでいたのかと思いきや、第二部よりも活発に思えるくらいちゃんと友人と交流している様子に少し驚きます。相手は、有名な往復書簡の相手でローマ駐在大使のヴェットーリ、「オリチェラーリの園」の若者たち(主要メンバーはのちにメディチ家に対するクーデターを起こす)、新興成金ドナート・デル・コルノ、『イタリア史』を残したエリート官僚グイッチャルディーニ(この人との往復書簡も楽しい)など。 マキアヴェッリの友人として名高いのがグイッチャルディーニであってヴェットーリでないのはなぜかということを説明する箇所がおもしろい(p.144)。ヴェットーリは、第一巻の序章でも紹介されていた、「イタリア文学史上、もっとも有名で美しい手紙のひとつとされている」マキアヴェッリの手紙(「わたしは、田舎の家(ヴィラ)にいる……ここでは、日の出とともに起き、森へ行く」というやつ)の受取人だった人なのだけれど、自分との往復書簡の所産である『君主論』に熱心な反応を示さなかったことで後生の研究者からは冷遇されているようです。 歴史書を読んでいると、ある時代を体現する人物というのが必ずいて、その人の死とともに時代も終焉を迎える、ということがよくあります。マキアヴェッリとルネサンスの関係もそうだったのだと、読み終えて思いました。
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栄枯盛衰で言うなら間違いなく下り坂に向かう頃のお話。 読んでいて少し辛くなるけれど、思索を深めていくマキアヴェッリの姿を眺めるのは楽しい。 若者たちとの交流や、再び政治の世界に係わりだしたマキアヴェッリは活き活きとしている。 しかしいかんせん、時代を定める者(マキアヴェッリでは...
栄枯盛衰で言うなら間違いなく下り坂に向かう頃のお話。 読んでいて少し辛くなるけれど、思索を深めていくマキアヴェッリの姿を眺めるのは楽しい。 若者たちとの交流や、再び政治の世界に係わりだしたマキアヴェッリは活き活きとしている。 しかしいかんせん、時代を定める者(マキアヴェッリではない)が無能だった様だ。 この作品では徹底的に無能な印象だったあの彼は、 他の作品ではどんな扱いだったのか気になる。 神の代理人や海の都の物語なども読んでおくと楽しいかもしれない。
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