ダーティハリー2(Blu-ray Disc) の商品レビュー
「己の分際を知れ…」。
このシリーズはほぼハズレ無しの名作揃いですが、個人的に一番好きなのが本作です。
法を擦り抜ける《悪》を、自分のバッジを投げ捨てても「始末した」前作とは全く正反対に物語は進みます。元々シリーズ化する予定の無い作品でしたが、前作の大ヒットを受けての続編と成り「ドンドン悪...
このシリーズはほぼハズレ無しの名作揃いですが、個人的に一番好きなのが本作です。
法を擦り抜ける《悪》を、自分のバッジを投げ捨てても「始末した」前作とは全く正反対に物語は進みます。元々シリーズ化する予定の無い作品でしたが、前作の大ヒットを受けての続編と成り「ドンドン悪い奴らを始末しちゃう刑事の映画」では、倫理的に危険だと判断したのでしょう。
そこで今作は「法を擦り抜ける様な悪」だからと言って、必殺仕事人よろしく《現職の警察官》がドンドン「始末してしまっても良いのか?」と云うちょっと恐いテーマで話は進みます。
主人公のハリーは《現行犯なら構わないが、法を掻い潜っている云わば「未犯」のワル》までドンドン殺すのは「リンチ(私刑)」に等しく、エスカレートすれば《恐怖政治の社会》へ繋がる行為だと喝破します。
最後の台詞が全てをビシッと締め括って、静かに物語は終わります。
このシリーズを観ていると、単純なアクション映画では無く、それぞれに深い主張が有り、今見てもそのテーマ性は古びる事無く、その後の80年代の刑事物にも多大な影響を与えた傑作群なのだと、つくづく思い知らされます。
左衛門佐
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