ポスト・ブックレビューの時代(下) の商品レビュー
ところで、この上下巻にわけて刊行された本書は、倉本四郎名義になってはいますが、「週間ポスト」の書評頁が5頁あって、その内の3頁を倉本四郎が書いて、後半の2頁を毎回違う執筆者が書くというふうに共同作業だったらしく、ですから彼の独立した著作ではないところがちょっと残念ですが、時にはバ...
ところで、この上下巻にわけて刊行された本書は、倉本四郎名義になってはいますが、「週間ポスト」の書評頁が5頁あって、その内の3頁を倉本四郎が書いて、後半の2頁を毎回違う執筆者が書くというふうに共同作業だったらしく、ですから彼の独立した著作ではないところがちょっと残念ですが、時にはバトルの様相も呈していて、また違った面白みがあります。 巻末には特別付録という感じで、森まゆみの「列外の人、女性びいき」という7頁にわたる解説がついていますが、私も彼女同様、週刊ポストなど読んだこともなく、ですから倉本四郎が20年の長きにわたって同誌で書評を書いていたことも知らずにいました。 そして「著作案内」には、23歳頃の『することがない青春なのか』(高校生新書・三一書房・1967年刊行)というデビュー作をはじめ20冊の彼の著作が紹介されていますが、小説あり童話あり、さらに絵画論あり、そして荒俣宏と互角に渡り合う対談集ありと、彼がただの書評家でなかったことがわかるラインアップで、まだ未読の本を発見した私はさっそく明日にも捜し出して読みたいと欲望するのでした。
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