歩調取れ、前へ! の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
悲惨な回顧録なのかと思ったら、いきなり、戦時中でもスキーへ行き、ホテルでステーキを食っていた話から始まる。 そういえば、以前読んだ『クラシックホテルが語る昭和史』(だっけ?)にも、そんなことが書かれていたなあ。 この間読んでいた『栄光なき凱旋』の地獄に比べると、敗戦国日本なのにこの違い。 しかし、それは冒頭部分だけであって、作者は東京大空襲の只中を歩き、戦後の悲惨さ、実家の没落の憂き目を経験する。 にもかかわらず、作品の根底に流れるカラッとした明るい力強さがいい。馬場大尉がいいなあ、あと、ミヨさん。 花岡喜代子さんは、戦時中なのに拓けて知的で元気な女性でした。 サブタイが示す通りのセイシュンものでもありました。
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