芸術論集 緑色の太陽 の商品レビュー
岩波文庫 高村光太郎 「 緑色の太陽 」芸術論集 全体的にわかりやすい。彫刻鑑賞の第一歩」「彫刻十箇条」は 馴染みのないブロンズ彫刻への興味をかきたてられる。面白かった ブロンズ彫刻は 人間の生命を造形した芸術であり、立体感や肉感の持つ圧倒的な実存ということだと思う。著...
岩波文庫 高村光太郎 「 緑色の太陽 」芸術論集 全体的にわかりやすい。彫刻鑑賞の第一歩」「彫刻十箇条」は 馴染みのないブロンズ彫刻への興味をかきたてられる。面白かった ブロンズ彫刻は 人間の生命を造形した芸術であり、立体感や肉感の持つ圧倒的な実存ということだと思う。著者が 近代彫刻のはじまりとした 荻原守衛 のブロンズ彫刻の実物を見てみたい 著者が日本の美の源泉としてあげた芸術作品は見てまわりたい *埴輪の美〜清らかさの美 *法隆寺金堂の壁画〜節度の美 *法隆寺の夢違観音(観世音菩薩立像) *神護寺の薬師如来立像 *藤原期の仏画〜交響楽的彩美 *能面〜喜怒哀楽のいずれでもなく、いずれでもある奥深い含蓄性 「父との関係」について、光雲の代表作「老猿」を彫刻的面白さがなく幼稚な表現形式というのは厳しすぎ 「彫刻鑑賞の第一歩」 *彫刻美の本質〜色彩のないところ *彫刻から来る感動は 視覚で経験する触覚〜物の実在 *彫刻的表現〜永遠に生命ある生物 *作品の背後にある作家の高邁な精神力 「彫刻十箇条」 *彫刻の本性は立体感にあり、彫刻のいのちは詩魂にある〜立体感はあらわれであり、詩魂はいのちである *構造を思え、構造なきところに存在なし *姿勢は河の如く、動静は水の流の如く〜姿勢を貫くものは動勢である *肉合に潜む彫刻の深さ 「人の首」 著者の造形目線がとても面白い *首すじは最も人間らしい *鼻と口の関係は人の本性 *顎の美しさは最も彫刻的 *頭蓋部は、最も動的なその人の内心の陰影 「手」 手には未知の性質が匿されている 触覚だけではたりない 触覚は自律性をもっているかに見え 指頭の触覚は文化を無限に洗練される
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詩について、彫刻について、光太郎の考えが分かりやすく素直な言葉で表現されていました。 特に、p.209に載っている書「うつくしきもの満つ」。非常に光太郎らしい言葉だと思いました。 また、本書では生化学者オパーリンが思いがけず登場します。生命の起源の研究に少し関係があった私としては...
詩について、彫刻について、光太郎の考えが分かりやすく素直な言葉で表現されていました。 特に、p.209に載っている書「うつくしきもの満つ」。非常に光太郎らしい言葉だと思いました。 また、本書では生化学者オパーリンが思いがけず登場します。生命の起源の研究に少し関係があった私としては、嬉しい出合いとなりました。 ※詩ではないのですが、詩人の著書ということで、詩のカテゴリにいたしました。
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