「子猫殺し」を語る の商品レビュー
2006年8月の日経新聞のエッセイはネット上、週刊誌上で話題になった。作家の坂東眞砂子が「生まれた子猫は殺す」という内容のものだ。こういう内容だから坂東は相当なバッシングを受ける。 その当時、僕もネット上でそのエッセイを読んだで、なかなか難しい問題だと感じた。ペットとして飼うイヌ...
2006年8月の日経新聞のエッセイはネット上、週刊誌上で話題になった。作家の坂東眞砂子が「生まれた子猫は殺す」という内容のものだ。こういう内容だから坂東は相当なバッシングを受ける。 その当時、僕もネット上でそのエッセイを読んだで、なかなか難しい問題だと感じた。ペットとして飼うイヌとネコに対して去勢をするという日本で当たり前に行われていることにちょうどそのころ違和感を感じていたからだ。生命が生命である最大の理由や目的は自身の遺伝子を残すこと、つまり子孫を反映させることであると考えざるをえない。 しかし、そのエッセイに対する反応は「殺された子猫がかわいそう」というものばかりであった。それに対する坂東自身の気持ちや詳細がこの本に綴られている。
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これを読みきるのはそうとう苦痛。もう放り出したくなる。作者は繰り返し、自分をバッシングする人に対し「子猫殺しを否定するのが正しいと思えるのか不思議」と述べているが、それはこちらのセリフだ。作者は命、生、死、それを知っているのは殺すことのできる私の側だという。生き物、それも現在日常...
これを読みきるのはそうとう苦痛。もう放り出したくなる。作者は繰り返し、自分をバッシングする人に対し「子猫殺しを否定するのが正しいと思えるのか不思議」と述べているが、それはこちらのセリフだ。作者は命、生、死、それを知っているのは殺すことのできる私の側だという。生き物、それも現在日常的によくたべられている豚や牛を殺して食ったことのない人間の意見は彼女には届かない。攻撃的な否定、浅慮な意見も多数寄せられたとは思うが、彼女の心の声だと思われるこの本を読み終えても、まったく賛成できまかった。 対談者は冷静で思慮も深いが、完全否定の立場を取っているわけではないので、一人位否定派を混ぜなければ、自らの主張を自らの側からだけしか見ていない、作者が反論するペット大好き人間の意見となんらかわりがない。
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坂東眞砂子の子猫殺しは、世間で騒ぎになったから知った。しかし、本当にあっという間にその騒ぎはいつの間にか沈静化した。問題が解決したというわけでもなく、誰かが幕を引いたのでもなく。おそらく世間はこの話題に飽きたのであろうし、結局は対岸の火事なのであろう。子猫殺しの是非はともかく、こ...
坂東眞砂子の子猫殺しは、世間で騒ぎになったから知った。しかし、本当にあっという間にその騒ぎはいつの間にか沈静化した。問題が解決したというわけでもなく、誰かが幕を引いたのでもなく。おそらく世間はこの話題に飽きたのであろうし、結局は対岸の火事なのであろう。子猫殺しの是非はともかく、この騒ぎでとにかく日本人の浅はかさを改めて痛感した。坂東さんをヒステリックに批判するような人にかぎって、この問題をいち早く忘れてしまうんだろうと思う。とにかく、私たちは結局は動物を人間の都合で好き勝手に扱っているという事実だけは認識すべき。そして、私たちは動物の去勢にしろ処分にしろ、すべて他人の手でやってもらっている卑怯さを知るべきである。何も考えずに去勢した動物を飼っている人間は、坂東さんを非難する権利はない。一度、鶏を自らの手んで殺して捌いて焼いて食べたことがあるけれど、同じことはもうできないと思う。そんな私は、本当は鶏を食べるべきではない。
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