終わらない夏 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
近年甲子園で活躍したチーム(例外あり)に切り込んだルポルタージュ 特に2009年に活躍したチームが多いです 指導者に焦点をあてたお話が多く、各巻により著者が違います 以降各章について概略と感想を記します ○序章―情熱のグラウンド― 続作『聖地への疾走』『夢を力に』でも同学校を取り上げることになる”始まり”のルポルタージュ 「そこに足を運ぶと、どんなひねくれ者の記者でも、そのチームを好きになってしまう」と言われる日大三高のお話 地獄の冬合宿の風景と著者に「我が子が野球をしたらこの監督に預けたい」と言わしめた 信念の人・小倉監督の魅力そして葛藤を綴る ○第1章―終わらない夏― 2009年夏神奈川代表としてハマトラ旋風を起こした横浜隼人・水谷監督のお話 自らを「隼人トラベル」と称し全国の高校にサービス精神全開で貢献し、多大な人脈を築いたお話が印象的でした 「地球と、ボールと、ご縁はまるい」という口癖から人と人とのつながりがいかに大切か知らしめてくれました ○第2章―指揮官の器― ”後進地域”と称された新潟 それを変えた当事者の一人日本文理・大井監督の魅力が伝わるお話 監督就任時バット2,3本、ボール2ダースという何もない状況 おまけに当時の理事長が夜逃げをしたりバントしない野球(当時の新潟では走者が出れば必ず送っていた)など漫画にありそうなお話でしたが苦労が節々から感じられました ○第3章―東大と甲子園― 東大合格者数十人という進学校・愛知県立刈谷高校野球部の躍進劇とその内面 彼らの高校生離れした聡い考えに舌を巻きました 相手にあって自分に無いもの 自分が相手より勝るもの それらを模索して勝負する彼らの姿勢が素敵でした 私立優勢になりがちな高校野球に対して少し皮肉が込められてます ○第4章―LONG AND WINDING ROAD― 今や”C”の人文字が夏の風物詩となっている智辯和歌山の甲子園出場 そのチームで投手を指導するコーチのお話です 輝かしい人生を歩んだ鈴木コーチの穏やかな話しっぷりと野球に人生を捧げる野球人っぷりが印象深かったです 高嶋監督と鈴木コーチとの深い絆を感じました ○第5章―フロンティア・スピリッツ― 甲子園出場を果たしたブラジル人球児と監督の絆のお話 誰もやらないことをやりたがる監督のちょっとおかしな進退 海の外から来て日本人として扱われた2人の留学生の心身の成長が胸を打ちます 「努力次第で人間は変われる」その監督の言葉に重みがありました ○第6章―夢みる頃が過ぎても― 頂点まで昇りつめた男の曲折した人生... 絶望的な怪我を負い幾度も再発する怪我の虫と闘う男... 「老いてなお」夢を追うちょっと変わったエースのお話です ○特別寄稿―もうひとりの”キクチ”― 同じ音の姓をもつ男の数奇な軌跡 互いに負けたくないと思い互いに認め合った好敵手のお話です 試合で皮肉な結末がありますが、本当に実話なのか?と思えるほど皮肉な運命が綴られています... また、 岩手を愛して地元密着チームの信念を貫いた花巻東・佐々木監督の冷静沈着さ... 最後まで”キクチ”の意思を尊重し、厳しくできない理由に息子をライバル校花巻東に進学させた一関学院・沼田監督の度量の広さ... 両者の監督のありようも印象的です
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球児たちの疾走、監督たちの情熱、あの夏の、熱い物語は終わらない-。「日大三高の熱い熱い暑い冬」「ハマトラ軍団横浜隼人、初めての甲子園」など、甲子園から生まれた8つの実話を収録する。 今年は久々に夏の高校野球に熱中した気がする。そんな中、高校野球に賭ける選手や指導者の姿がしっかりと...
球児たちの疾走、監督たちの情熱、あの夏の、熱い物語は終わらない-。「日大三高の熱い熱い暑い冬」「ハマトラ軍団横浜隼人、初めての甲子園」など、甲子園から生まれた8つの実話を収録する。 今年は久々に夏の高校野球に熱中した気がする。そんな中、高校野球に賭ける選手や指導者の姿がしっかりと描かれている本書は読み応え十分だった。雑誌 Number の記事みたいと言えばそれまでだが…。 (B)
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