悪税が日本を滅ぼす の商品レビュー
小論文のために読んだ 読みやすい。日本の政治に批判的やけど、その内容とかわかりやすくて私でも読めた!
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「悪税」といふ言葉を聞くと、「晩聲社」を連想しますね。この出版社では価格表示において、消費税を悪税としてゐました。即ち、普通なら「\1500+税」とか「\2800(本体価格)」などと表記するのでせうが、晩聲社の出版物では「\3000+悪税」となつてゐたのであります。現在もさうなの...
「悪税」といふ言葉を聞くと、「晩聲社」を連想しますね。この出版社では価格表示において、消費税を悪税としてゐました。即ち、普通なら「\1500+税」とか「\2800(本体価格)」などと表記するのでせうが、晩聲社の出版物では「\3000+悪税」となつてゐたのであります。現在もさうなのかどうかは知りませんが。 また、奥付の年号表示も独特で、「昭和」「平成」などの元号を一切廃し、その代り1946年を元年とする「核時代」といふ独自の表記をしてゐたものです。 今、ちよつと気になつて「晩聲社」のウェブサイトを覘いたら、まるで韓国礼賛出版社みたいに変貌してゐますね。悪税も核時代も和多田進さんもどこかへ行つてしまつたやうです。ああ。 ま、晩聲社はどうでもいい。元国税の調査官である大村大次郎さんの著書『悪税が日本を滅ぼす』のことでした。 単行本刊行時の書名は『なぜ金持ちが増えたのか?』。文庫化時に現在の書名に改題されたのであります。帯にも「貧乏人からむしりとれ!」と過激な惹句(?)。 近年、富裕層が増え、他方では生活保護世帯も増加してゐると統計が示してゐるといふことです。要するに格差が広がつてゐると。 税制が不公平で税が無駄遣ひされてゐるだらうことは、まあ多くの人が感じてゐるのではないかと思ひますが、その内実を具体的に指摘したのが本書と申せませう。 簡単にいへば、かつての税制は富者から多く税を徴収し、貧困者に分配する形で格差を埋めてゐたのを、竹中=小泉路線以降、金持ちを優遇し、貧乏人からも等しく税を取るやうになつたと。財界の言ひなりになり庶民を苦しめる傾向は安倍政権で更に加速してゐます。オット安倍信者の皆様からフクロにされてしまふね。桑原桑原。 非正規雇用、ワーキングプア、ひいては結婚難民の増加、それに伴ひ少子化に拍車がかかる... 本書には、犯人は誰か、対策は何かなどが述べられ、真の原因についてもさりげなく書かれてゐます。真の原因は「さりげなく」書かざるを得ない事情が有るのですよね。著者の心情を忖度するわたくしであります。 読後爽快になる本では決してありませんが、目を通した方が良い一冊と言へませう。俗耳に入りやすい乱暴な論だと片付ける人もゐるでせうがね... http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-178.html
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日本が腐っていく原因は税金であるとの元国税局員の話し。 よく聞く官僚批判もあれば、開業医の団体である日本医師会の批判などもある。 なんか結局政治に圧力を掛けられる団体が強い、とかね。 高齢者社会の中で若者は割を食う存在になってくるし、全てツケを将来に回すようになっていってしま...
日本が腐っていく原因は税金であるとの元国税局員の話し。 よく聞く官僚批判もあれば、開業医の団体である日本医師会の批判などもある。 なんか結局政治に圧力を掛けられる団体が強い、とかね。 高齢者社会の中で若者は割を食う存在になってくるし、全てツケを将来に回すようになっていってしまうのではないか。 今の自分たちが苦しんでも、未来へ、という気概・使命・志を持つ必要があるし、そのための行動も必要。 一度日本はデフォルトしてリセットしないといつまでもツケの先送りになってしまうと感じている。
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税金の使い方次第で、我々の暮らしへの影響が良くなったり悪くなったりしますが、会社員をしている私は源泉徴収をされているせいもあり、税金を払っている感覚が無いのが現状です。 この本によれば、日本には不公平な税制があり、格差を生んだり成長ができない原因となっているようです。 現在の...
税金の使い方次第で、我々の暮らしへの影響が良くなったり悪くなったりしますが、会社員をしている私は源泉徴収をされているせいもあり、税金を払っている感覚が無いのが現状です。 この本によれば、日本には不公平な税制があり、格差を生んだり成長ができない原因となっているようです。 現在の総理大臣の野田氏も野党側の総裁の谷垣氏も消費税増税に乗り気で、数年以内には増税される見込みですが、過去に3%から5%に上げただけで景気がその後冷え込んで税収が減ったことを思うと不安になります。 対策としては、この数十年間に行ってきた減税を元に戻すのが一番良いのではないでしょうか。政治に口を出せる人たちが主に増税となるので実行は難しいかもしれませんが、それができるのは政治家だけだと思います。 以下は気になったポイントです。 ・ヒルズ族は時代の寵児ではない、昔からいた金儲けのうまい連中であり、彼らが手にしている膨大な富は、以前は国民のものであった(p19) ・株や投資とは、あまりお金を持っていない人が、それを増やすには消して使える方法ではない(p24) ・ここ数十年間、資産家や大企業には大減税が行われてきた、具体例として、法人税率10%引き下げ、高額所得者の税率は20%以上、投資家は最大50%の減税(p27) ・税金と社会保険料および国債を含めた国民負担割合は50%を超えている、高齢者は23%しかいないので残りの27%は、それで働いている人たち(税金で生きている人たち)がいるということ(p34) ・中小企業の社長は社長報酬と会社所得が1600万円(以前は800万円)を超えたら税金が跳ね上る、これはそれまでの報酬にせよと言ってるようなもの(p36) ・税務調査で労働状態が劣悪で、法に触れていることを発見しても、それが労働基準監督署に通報されることは無い、逆に労働基準監督署が脱税を見つけても、国税に通報されることはない(p47) ・財政投融資の形をとれば、「支出ではなく貸付」になるので、国会のチェックを受けることは無い(p67) ・国税職員を21年間勤務すれば税理士の資格がもらえる、税理士の資格は、国税職員の定年後の再就職のために作られた、同様の制度(行政書士、司法書士等)は多くある(p77) ・市町村民税や県民税は全国一律だが、国民健康保険税は自治体によって計算方法が違うので、自治体の健全度と示すには絶好の数値、安いほど良い自治体(p113) ・消費税が格差社会の原因となる理由は、年収1億円の人は消費に回るのは2000万円程度なので消費税は100万円(収入の1%)だが、年収300万円の人はほぼ消費に回るので5%のまま(p140) ・消費税が以前引き上げられたとき、同時期に行われた大企業、高額所得者の減税で、増税分(10兆円)は吹き飛んだ(p142) ・消費税は、払う人と受け取る人が顔を合わせない税金なので、増税しやすい(p145) ・消費税を増税するために、物品税や特別地方消費税をまず復活させるべき(p149) ・法人税や所得税は利益にかかってくるものであるが、消費税はさらに人件費にもかかってくる、企業が消費税を減らそうとすれば人件費を減らす努力をすることになる(p159) ・社会保険料には上限があり、年収1000万円程度がその上限で、それ以上は増えても頭打ちになる(p167) ・社会保障費(一般会計の25%以上)といっても、その半分以上は医療関係費であり、年金に回されている税金は6兆円(一般会計の7%程度)程度(p176) 2011年10月30日作成
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税金を通してみる今の日本。そのいびつな世界があぶりだされている本書は税金というものを身近に感じる入門書として、ぜひ一度目を通していただければと思います。 ちょっと最近この人の本を結構よく読んでおりまして。税金というものの恐ろしさというものに肝をつぶしている昨今でございます。この...
税金を通してみる今の日本。そのいびつな世界があぶりだされている本書は税金というものを身近に感じる入門書として、ぜひ一度目を通していただければと思います。 ちょっと最近この人の本を結構よく読んでおりまして。税金というものの恐ろしさというものに肝をつぶしている昨今でございます。この本にいわく、日本がここまでの格差社会になったのは、竹中平蔵の『竹中教授のみんなの経済学』という本からだそうで、確かこれは僕も昔読んだ記憶があります。 筆者の言うとおり、株などの投資は、『持たざるもの』が使える手段ではなく、給料が下がった分は投資で補えという話は土台無理だということはよくわかります。そもそも、消費で精一杯で貯蓄さえもできないというのが現状なのではないのでしょうか? そして、今しきりに国会で議論されている『消費税の増税』これが僕らにはしぶしぶ納得させられるように仕向けられていますが、いかに消費税が金を持っている人間にとって有利に働くか、そして、取る側にとっても以下に都合のいい税金なのかということにも言及されていて、読んでいてぞっとするとともに、私たちがこれからどこに行こうとしているのだろうと、不安になってしまいました。 僕はまだまだ税金に関しては勉強が足りないなぁとこういう本を読んでつくづく感じます。そして、その中でわかったことは税金をとる側にとっては知らないほうが都合がいいんだなぁ、ということでした。僕にできることは限られていますけれど、その中でできることは仕組みを知ること、そしてそのきっかけとして、この作者が書いている本はいいテキストになるなと思っています。
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