幕末の大風-慶応四年幕府海軍帆船美賀保丸 の商品レビュー
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慶応4年8月、榎本武揚の指揮する江戸からの脱走艦隊の一隻だった美賀保丸。しかし榎本艦隊は直後銚子沖で大風(台風)に遭遇し、美賀保丸は座礁難破する。この大風の復元を通して、気象から見たもう一つの幕末維新史を試みる意欲作。(2009年刊) ・はじめに ・一 美賀保丸の誕生 ・二「美香保」の由来と青木艦長説 ・三 美賀保丸の活躍 ・四 榎本艦隊と共に ・五 銚子沖で大風に遭遇 ・六 大風下の白虎隊士たち ・七 大風資料を重ねシュミレーション ・八 遭遇した美賀保丸の乗船者たち ・九 黒生浦の慰霊碑 ・十 引き揚げられた遺品 ・附・ハーマン号事件 本書は、慶応四年、幕府海軍帆船美賀保丸の遭難事件を扱っている。労作ではあるが、事実の紹介にとどまっており、考察に欠けている。 参考文献はそれなりに充実しているがウィキペディアを参照しているというのもどうか。(記述ミスや疑問を感じた点もあった。) 同じ台風の影響ということで、美賀保丸の事件と、白虎隊を取り上げているのも、論点が拡散し、どっちつかずの中途半端な印象である。
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