同性愛と異性愛 の商品レビュー
日本の社会における「同性愛」の歴史・差別・認知についてバランス良く学べる一冊。私たちの暮らす社会は「異性愛」を前提として全てがシステム化されている。それゆえ、同性愛者の存在を認識することから始めなければならないと、著者は鋭く指摘する。また、「人権とは多数者の理解が得られないからこ...
日本の社会における「同性愛」の歴史・差別・認知についてバランス良く学べる一冊。私たちの暮らす社会は「異性愛」を前提として全てがシステム化されている。それゆえ、同性愛者の存在を認識することから始めなければならないと、著者は鋭く指摘する。また、「人権とは多数者の理解が得られないからこそ、その保障が強く求められるもの」という一節は、第2章で描かれる行政訴訟での主張と共鳴し、読む者の胸に力強く迫ってくる。
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僕は同性婚にも賛成で、どのような性的指向であっても、個人が暮らしやすい社会になるべきだと思っているけど、本書は少し惹きつけるものが弱かった印象がある。でも同性愛と社会の関わりが分かりやすく書かれていて参考になった。
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さすがにセクシャリティとジェンダーの区別はつくが、そこに性自認、性的指向(嗜好、志向とは異なる)、性同一性障害などの軸が入ってくると段々わけがわからなくなってくる。 そのような性の多様性が認められてきたからこその細分化が政治的に利用され、逆に異性愛主義の病理を深めるということには...
さすがにセクシャリティとジェンダーの区別はつくが、そこに性自認、性的指向(嗜好、志向とは異なる)、性同一性障害などの軸が入ってくると段々わけがわからなくなってくる。 そのような性の多様性が認められてきたからこその細分化が政治的に利用され、逆に異性愛主義の病理を深めるということにはなるほどと思った。考えさせられる一冊。
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同性愛者団体が勝訴したことは、行政にも影響を与えただろう。たとえば、第1章で取り上げた感染症予防法における「個別施策層」概念や、第5章でみる地方自治体における人権施策の取り組みは、同性愛者団体の勝訴によって直接導かれたものではないが、同性愛を人権の問題としてとらえる主張がベースに...
同性愛者団体が勝訴したことは、行政にも影響を与えただろう。たとえば、第1章で取り上げた感染症予防法における「個別施策層」概念や、第5章でみる地方自治体における人権施策の取り組みは、同性愛者団体の勝訴によって直接導かれたものではないが、同性愛を人権の問題としてとらえる主張がベースになっている点で、これらの取り組みを推進する力になったのではないだろうか。(p.71) 「カミングアウト」の物語は、逆説的なことに、つねにクローゼットに支えられている。つまり、カミングアウトすることでクローゼットの存在が明らかになる。言い換えれば、同性愛者はカミングアウトをしてはじめて、「同性愛者であることを言えなかった、あるいは語らな買って過去」をもっていたことを認識するのである。(p.203)
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「人権とは多数者の理解が得られないからこそ、その保障が強く求められるめもなのではないのだろうか。」この言葉が私の心に強く響いた。セクシャルマイノリティ中のマイノリティ差別があると感じていた(同性愛者がバイセクシャル・パンセクシャルを遠ざける等)時に性的指向使用の問題が出されていて...
「人権とは多数者の理解が得られないからこそ、その保障が強く求められるめもなのではないのだろうか。」この言葉が私の心に強く響いた。セクシャルマイノリティ中のマイノリティ差別があると感じていた(同性愛者がバイセクシャル・パンセクシャルを遠ざける等)時に性的指向使用の問題が出されていて嬉しく、納得でした。少数派を受け入れる事は簡単ではないと思うけれど、自分の近い所から当たり前としてあるという認識を持って生きていく事を、まずは始めたいと思いました。
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文章の構成が丁寧で、とても読みやすかった。 また、セクシャルマイノリティが歴史の中で如何に差別や偏見の被害に遭ってきたのかがよく分かった。 しかし、この本に挙げられている事例はほんの一部である。 今もセクシャルマイノリティにとって生きにくい社会であることは否めない。 上辺だけで...
文章の構成が丁寧で、とても読みやすかった。 また、セクシャルマイノリティが歴史の中で如何に差別や偏見の被害に遭ってきたのかがよく分かった。 しかし、この本に挙げられている事例はほんの一部である。 今もセクシャルマイノリティにとって生きにくい社会であることは否めない。 上辺だけではなく、本当の意味で差別や偏見がなくなり、「セクシャルマイノリティ」などという言葉自体使う必要のない社会を目指していかなければいけないと思った。
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セクシャルマイノリティの立場について、時代ごとの変遷が記述されています。 同性が好きというだけで殺されたり、精神異常者として治療の対象とされた過去。今の日本も差別や偏見が多いとはいえ、過去と比べるといくらかは権利が認められ、前進しているのだなと感じました。 またエイズの流行が...
セクシャルマイノリティの立場について、時代ごとの変遷が記述されています。 同性が好きというだけで殺されたり、精神異常者として治療の対象とされた過去。今の日本も差別や偏見が多いとはいえ、過去と比べるといくらかは権利が認められ、前進しているのだなと感じました。 またエイズの流行がセクシャルマイノリティへの「迫害の加速」、セクシャルマイノリティ自身の「前進の起爆剤」となった、相反する両面性について触れられていたことも興味深かったです。
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さくっと概要をおさえられる新書らしさが魅力、そのぶんさらっと流してしまった… セクシュアリティやジェンダーがいかに社会において可視化されにくく課題を持ち、偏った規範によって排斥されているか、ということを改めて思う
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ゲイの視点からみた日本の同性愛に対する意識についてを読めてとてもいい。 残念なところは女性同性愛についてはあまり触れられていない点、著者が男性同性愛者のためにと書いてあるがその視点が良かった なかなか読めない一冊だと思う、繰り返し読んで頭に叩き込みたい内容
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セクシャリティは生きること。性は生なんだよね。なんかこう、もっと自由にみんなが生きていけないものなのかね。
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