宇宙から恐怖がやってくる! の商品レビュー
読了。 タイトルだけみるとアレだがw、実は宇宙物理学の権威が様々なエビデンスをもとに語る、極めて真っ当な天文学啓発書。本書を読むと、この(宇宙物理学的に)平穏な日常は、数多くの奇跡の上に成り立っているのがよくわかる。科学を突き詰めると神を意識せざるを得なくなるのは、アインシュタイ...
読了。 タイトルだけみるとアレだがw、実は宇宙物理学の権威が様々なエビデンスをもとに語る、極めて真っ当な天文学啓発書。本書を読むと、この(宇宙物理学的に)平穏な日常は、数多くの奇跡の上に成り立っているのがよくわかる。科学を突き詰めると神を意識せざるを得なくなるのは、アインシュタインの時代から変わっていない。
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宇宙にロマンを感じるのは昔の話です。宇宙を知れば知るほど危険な世界であることが判る。 小惑星や彗星の衝突は、映画にも描かれていて誰もが予測しうる事態ですが、その他にも太陽フレア、超新星の影響、ガンマ線バースト、ブラックホール等この本で紹介しているだけでも9つの要因が紹介されていま...
宇宙にロマンを感じるのは昔の話です。宇宙を知れば知るほど危険な世界であることが判る。 小惑星や彗星の衝突は、映画にも描かれていて誰もが予測しうる事態ですが、その他にも太陽フレア、超新星の影響、ガンマ線バースト、ブラックホール等この本で紹介しているだけでも9つの要因が紹介されています。これらの危険に現時点で対処できるのは、最初に挙げた2つの要因くらいですが、発生確率はかなり低く、日常生活で心配するほどの事では無いようです。(但し、その事態になったら小さな事象以外はほとんどアウトですが) この本を読んでみて、ローランド・エメリッヒの映画を思い出しました。最初の方で散々危機感を煽っておいて、実はそんなに心配する必要も無いという描き方ですが、、。 確かに宇宙からの恐怖は存在しますが、それは人間の時間スケールをはるかに超えたものも多いので、せいかもしれません。ガンダムのような宇宙モノのアニメ人為的な恐怖よりも、よほど現実の宇宙の方が恐ろしい。
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扇情的なタイトル、シャレも入って面白く読み進めることが できる文章と一見怪しげな本に見えるのだが、内容はきちん とした科学的根拠に基づいて地球の様々な宇宙的危機に ついて書いた本であり、いたって真面目な著述である。 出版され店頭に並んだ時に読みたいと思った本だったが、 実際読むま...
扇情的なタイトル、シャレも入って面白く読み進めることが できる文章と一見怪しげな本に見えるのだが、内容はきちん とした科学的根拠に基づいて地球の様々な宇宙的危機に ついて書いた本であり、いたって真面目な著述である。 出版され店頭に並んだ時に読みたいと思った本だったが、 実際読むまでにずいぶん時間がかかってしまったな。 惑星を襲う、生命のほとんどが死滅してしまうような危機が これだけあるのならば、文明というものは他星のそれに 出会う前に滅んでしまう一瞬の火花のような物なのかも 知れない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2010年刊行。◆天文学的現象から生じる人類・地球滅亡のシナリオについて、真面目に検証していく科学読本である。◇テーマは地球近接天体、太陽フレア、超新星爆発、中性子星のガンマ線バースト、ブラックホール(マイクロブラックホールを含む)、異星人ないし異星の細菌やウィルス、太陽の死、宇宙消滅等。軽妙な文体ではあるが、SFの元ネタともいうべき天文現象が解説されており、トリビア満載の一書である。個人的には宇宙戦艦ヤマトを想起してしまった(遊星爆弾、グリーゼ581、次元波動爆縮放射機、ガミラス他、核融合異常増進)。 本書の宇宙の死においては、「宇宙のエンドゲーム」で描かれた終焉像とは異なる未来像が語られる。実際のところ、地球近接天体を除き、本書の地球滅亡シナリオの可能性は余り高くなさそうだし、また人類の種としての生存予想年数から見て、破滅的現象に遭遇する可能性も低そうだが、本書全体は「宇宙」「SF」に興味のある人なら十分楽しめるはず。 太陽内の核融合の進展に伴い赤色巨星化することは既知だったが、実は重力バランスや太陽から放出される物質の影響で、地球や火星等は軌道半径を増大させ、その結果、内惑星系は太陽に呑み込まれるシナリオではない、という点は新奇。
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宇宙は地球を滅ぼそうとしている。これは紛れも無い事実だ。小惑星や彗星が地球に激突すれば壊滅的な被害を出すだろうが、それらの進路を変更することは出来るそうだ。時間と費用があれば・・・。また太陽はあと11億年もすると輝きを増しだす。10%暑くなるだけで陸地や食料の問題からも人類はもう...
宇宙は地球を滅ぼそうとしている。これは紛れも無い事実だ。小惑星や彗星が地球に激突すれば壊滅的な被害を出すだろうが、それらの進路を変更することは出来るそうだ。時間と費用があれば・・・。また太陽はあと11億年もすると輝きを増しだす。10%暑くなるだけで陸地や食料の問題からも人類はもう地球に住むことは出来ない。しかし科学の力で地球の軌道を太陽から遠ざければ大丈夫なようだ。その他にも超新星の爆発やブラックホールから出るガンマ線等の有害な宇宙線やエイリアンアタックや銀河系の衝突(アンドロメダ銀河はわが銀河系に秒速200kmという猛烈な速度でぶつかってきている、あと10億年で接触する)などなど宇宙には危険が山ほどある。そして最終的に宇宙の恒星は白色矮星と中性子星とブラックホールだけになり、それらさえ蒸発?して全ての光を失って真っ暗になる。その先のことは全く解からない。でも(現在の)宇宙の最初には75%の水素と25%のヘリウムと微量のリチウムしか無かった。それが様々な化学反応を起こし、超新星爆発などにより鉄やカルシウムや様々な元素が生まれた。私たちの血液を流れる鉄分は、はるか昔にどこかで起きた超新星爆発の残骸なのだ。今の宇宙がなくなった後は、きっと次の世代の宇宙がそこから始まるのではないだろうか。
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題名からノストラダムスの予言まがいのインチキ科学の本と勘違いしそうですが、まったく違います!隕石の衝突、太陽フレア、超新星爆発、銀河の衝突などの宇宙で考えられる激しい事象が地球近傍で発生したら、どのような影響が地球に及ぶのかを小さな時間スケールから次第にスケールを拡大しつつ説明さ...
題名からノストラダムスの予言まがいのインチキ科学の本と勘違いしそうですが、まったく違います!隕石の衝突、太陽フレア、超新星爆発、銀河の衝突などの宇宙で考えられる激しい事象が地球近傍で発生したら、どのような影響が地球に及ぶのかを小さな時間スケールから次第にスケールを拡大しつつ説明されて行きます。最終的には「宇宙の死」までもが議論の対象に。宇宙が誕生して137億年の今、その100京年後(100億の1億倍!)後、さらにその100京倍の時間が経過した宇宙にまで思考をめぐらし、そんな途方もない時間スケールの旅を疑似体験するかのような読後感です。
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最近はスティーブン・バクスターを始めとする宇宙全体の歴史を網羅するハードSFを読む機会が多かったのですが、この本を読んでみてようやくバクスター他のSF作家が参照?している宇宙の始まりと終わりの論拠が分かりました!本書を読み終えるとオカルトや唐突なSFを想像させる邦訳のタイトル(原...
最近はスティーブン・バクスターを始めとする宇宙全体の歴史を網羅するハードSFを読む機会が多かったのですが、この本を読んでみてようやくバクスター他のSF作家が参照?している宇宙の始まりと終わりの論拠が分かりました!本書を読み終えるとオカルトや唐突なSFを想像させる邦訳のタイトル(原文でもDeath From The Skies!なので直訳に近いのですが)に違和感を覚えるように、隕石の衝突から太陽の爆発、エイリアン侵略の可能性までを豊富で最新の天文学知識を背景に分かり易く解説していて、いわゆる良質のサイエンス・ノンフィクションとなっています。さらに筆者の筆力があるのは、難解とも思えるこれらの事象を分かり易い(そして時に楽しく)文章で描かれていることです。そして圧巻は、最後の恐怖!?である宇宙の終末について、最新の現代天文学から導き出される衝撃的な結論を展開しているラストでしょうか。 本書の冒頭ではSFや映画でおなじみの隕石の衝突の可能性から、ガンマ線バーストといった初めて知るような事象も分かり易く解説しています。これらだけでも地球というのは本当に偶然と天文学的な運の良さ!に支えられてここまで生き延びてきたのだと、実感すると共に薄ら寒くも感じます。そして、最初の時間の試練である太陽の膨張と爆発です。筆者が強調しているようにこれは「もしも」のことではなく、必ず訪れる避けられない「いつか」の恐怖なのです。もちろん今を生きている我々人類には永遠にも等しい時空の果てともいえるタイムスケールの話なのですが、肝心なのは「永遠」ではなくいつかは太陽も消滅するという事実(といって良いでしょう)が未来に存在しているということです。その頃に人類が存在している(人類でなくても宇宙を知覚できる存在が居るかもわかりませんが)かどうかは、想像も難しい時間の果ての話なのですが、今の世の中が消滅するという事実ほど恐怖を感じることはありません。そして、本当の恐怖は宇宙の終末、すべての物質が冷えて粒子まで分解して、その粒子すら存在できなくなる無の時代が来る(と予想される)事実でしょうか。 この本を読むまでは、ビックバン理論に始まり宇宙は膨張し続けているものの、ダークマター(暗黒物質)の研究が進めば終末論は変わると勘違いしていたので、相当ショックを受けました。今後、研究が進んでこの結論が代わることを祈らずにはいられませんが、永遠ともいえる時間と時空の果てに、人類はおろか物質が存在できなくなる時が来るというのは何だか落ち着かない気分にさせます。 地球や太陽系、少し広げて銀河系などはいつの日か終わりが来ると納得がいっても、宇宙そのものが週末を迎えるという事実はなかなか衝撃的ではないでしょうか。これは勿論、絵空話ではなく今現在の最新の天文物理学から導き出される理論ともいえる予言なのです。とはいっても本書自体は軽快な筆者の明るいタッチもあり、最後は少し虚脱しますが、最後まで楽しく付き合うことができます。 この本を読むとスティーブン・バクスターのジーリークロニクルの結末でもある、別の宇宙へ脱出する「リング」の存在を信じ(または創造の可能性?)たくなります。この結論をアインシュタインなどが知ったらどう思うか、ちょっと興味があります。私のような凡人には衝撃的な本であった同時に、時空の定義や時間の操作など宇宙の終末を避けるための色んなアイデアが湧いてくることを期待しています。しかし、この本のタイトルと装丁はもう少し何とかならないですかね。。。
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宇宙ヤバイ。 宇宙は俺達を殺しにくるので、先に宇宙を殺すべきだが、宇宙を殺すと俺達も死ぬので、結局宇宙は殺せないので、宇宙ヤバイ。 億年とか、兆キロメートルとか小学生でも言わない単位が目白押しで、おもしろかった。
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トンデモっぽい題名だが、著名な天文学者が書いた真面目な本。地球が滅亡する可能性を宇宙物理学的側面から記述したもの。空間的時間的スケールがあまりにも広大なため、地震本のような怖さは全くない。むしろ奇跡的なバランスの中に危うく浮かぶ地球が堪らなく愛おしくなる。大きくなったり小さくなっ...
トンデモっぽい題名だが、著名な天文学者が書いた真面目な本。地球が滅亡する可能性を宇宙物理学的側面から記述したもの。空間的時間的スケールがあまりにも広大なため、地震本のような怖さは全くない。むしろ奇跡的なバランスの中に危うく浮かぶ地球が堪らなく愛おしくなる。大きくなったり小さくなったり、赤くなったり白くなったりしながら百億年以上もかけて一生を終える太陽の話にはお疲れ様と言いたくなる。7千光年先からでも地球を焼き尽くす宇宙の溶接バーナー/ガンマ線バースト(GRB)。あなたがGRBで死ぬ確率1400万分の1。
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人類が地球に、そして宇宙を構成する一員である以上、地球や太陽系、銀河系、宇宙の運命に身をゆだねるほかない。しかし、それはそれこそ天文学的時間で見ればの話で、最終章で著者が語っているように当面、自分が生きている間には小惑星が地球に衝突することも、エイリアンが侵略してくることも無さそ...
人類が地球に、そして宇宙を構成する一員である以上、地球や太陽系、銀河系、宇宙の運命に身をゆだねるほかない。しかし、それはそれこそ天文学的時間で見ればの話で、最終章で著者が語っているように当面、自分が生きている間には小惑星が地球に衝突することも、エイリアンが侵略してくることも無さそうである。 おもしろい話なのだが、本当の意味でのSF(サイエンスフィクション)なので理解しながら読むのに苦労した。
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