幸田文 旅の手帖 の商品レビュー
幸田文・著、青木玉・編「幸田文 旅の手帖」、2010.3発行です。幸田文さんのエッセイ、文体がとてもすっきりして読みやすいです。取材旅行とはいえ、随分沢山のところに旅されてると思います。父・露伴との思い出の旅もあります。北海道が殊の外お好きな感じがします。編者は一人娘の青木玉さん...
幸田文・著、青木玉・編「幸田文 旅の手帖」、2010.3発行です。幸田文さんのエッセイ、文体がとてもすっきりして読みやすいです。取材旅行とはいえ、随分沢山のところに旅されてると思います。父・露伴との思い出の旅もあります。北海道が殊の外お好きな感じがします。編者は一人娘の青木玉さん、注釈も丁寧で、それぞれのエッセイの終わりに(○○年、○○歳)と記されているのがとてもいいと思います。あとがきに青木奈緒さんが祖母との旅の思い出を。幸田露伴~幸田文~青木玉~青木奈緒、露伴のDNAが脈々と引き継がれていますね!
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◆きっかけ 実家にて。FURAU2010年6月号で片桐はいりさんが「ゾクゾクするほど美しい!(中略)エピソードや描写がとても美しく、いいなあと。よみおえてしまうのが寂しいくらい、とても好きな本です」と紹介していて。2016/8/20
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1990年に他界している著者。 時代が感じられる背景や言葉使いの中にも、情景はみずみずしく、日常から連れ出してくれます。 p50 富士の水(行きたい!) 湧き口が見えるのではなく、湧きあがりが見えるのである。澄んできれいな水なのに、底は知れないのだそうな。湧きあがる水量が多く、従って噴きあげる力も強くて、もぐりきれなかったとかいう。じっと見ると水中深いところからむらむらとかげろうのような、透明な波紋が噴きあがってくるがわかる。… p63 …なあにそれが悲恋失恋であろうと結構、六十にもなるうちには想い出はたいがいみな、なつかしいものに変わってしまうからだ。 種はかなしみでも、長いあいだには懐かしさの糖衣がかかる。けれども肝心かなめの種がないのでは話にならない。恋でも仕事でも借金でも、なんでも若いうちに身に染みることは、数多くやっておいた方が、あるいは老後の心のうちが賑やかで寂しくないかもしれぬ。… p158 厚ぼったい雲。 (私も、陰鬱と形容される冬空。毎日だとふつうだし、ないとさみしい。家ごと雪にすっぽり覆われた感覚はむしろ暖かい。飛ばされそうな嵐も吹雪も。)
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幸田文の旅に纏わるエッセイをまとめた本。表面上はさらさらとしているが、中身はしっかりとして歯ごたえがある。
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どこを読んでも、旅情があふれている。 父・露伴との旅路は、様々な思いが詰まっていて、切ない、という言葉にまとめきれない、なんともいえない気持ちになった。
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好奇心旺盛で、感性豊かな筆者ならではの、繊細な描写が楽しめる一冊。旅のエッセイとはこうあるべきだと思う。
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新宿の本屋さんで見つけて、 そのときは立ち読みしただけで終わっちゃったんだけど、 結局気になってしょうがなくて 地元の本屋さんでわざわざ取り寄せてもらった。 運命は信じて買ってしまったほうがよいのだなー 1枚1枚が宝石のように暖かく輝く一冊。ずっと手元においておきたいです。 ...
新宿の本屋さんで見つけて、 そのときは立ち読みしただけで終わっちゃったんだけど、 結局気になってしょうがなくて 地元の本屋さんでわざわざ取り寄せてもらった。 運命は信じて買ってしまったほうがよいのだなー 1枚1枚が宝石のように暖かく輝く一冊。ずっと手元においておきたいです。 ++++ いつも読みかけで終わりまた初めから読み直すことを繰り返して、やっと最後まで。 ++++ 心安いタクシーの運転手 蛍手 もみじ子 草津万座 尾花栗毛 白根山 紅葉の葉の数 あっさりトンカツ 風に会いに行く
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【メモ】 ・富士吉田から少し入った忍野という農村は、富士山が日本一綺麗に見える場所。湧き水の動きがはっきり見える池もある。 ・もみじ子=鱈子 ・収録されている掌編「菓子」 不成就の若き日の恋を「包んだまま終わった」という表現。
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