隣の病い の商品レビュー
「精神科医がものを書くとき」の分冊。小出版社の編集者が、著作集などから漏れていた、あちこちの機関紙などへの寄稿文までもを探し出して編んだ一品である。 例えば「クラス会に出る」というありふれた主題の文章、一千字程度の医事新報新年号に掲載される自由題の随筆。そんな、いわば雑文までも...
「精神科医がものを書くとき」の分冊。小出版社の編集者が、著作集などから漏れていた、あちこちの機関紙などへの寄稿文までもを探し出して編んだ一品である。 例えば「クラス会に出る」というありふれた主題の文章、一千字程度の医事新報新年号に掲載される自由題の随筆。そんな、いわば雑文までもが目を瞠るキマリようなのである。ヨーロッパ各国の旅行記が含まれているのが、割と目新しいテーマとして面白く読んだ。
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シリーズ一巻よりこちらの方が、読むのに骨が折れた。 より専門的知識が求められる話題が多く、また、最後の章のギリシャ詩人の話などよほど、興味のある人でないと理解できないでしょう。 しかし、阪神大震災後の復興にかかわる話もあり、現在の東日本大震災では、精神病に対するケアの話を寡聞に...
シリーズ一巻よりこちらの方が、読むのに骨が折れた。 より専門的知識が求められる話題が多く、また、最後の章のギリシャ詩人の話などよほど、興味のある人でないと理解できないでしょう。 しかし、阪神大震災後の復興にかかわる話もあり、現在の東日本大震災では、精神病に対するケアの話を寡聞にしてあまり聞かないだけに、どうなっているのか改めて考えさせられた。
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ちくま学芸文庫の中井久夫さんのエッセイシリーズで、読み残していた最後の一冊。 2ページなど、非常に短い文章が集められていて、バラエティに富んでいる。さすが、何を読んでもあいかわらず鋭い知性がきらきらと輝いているし、学識の広さに驚く。 巻末のほうには現代ギリシャ詩についても詳しく書...
ちくま学芸文庫の中井久夫さんのエッセイシリーズで、読み残していた最後の一冊。 2ページなど、非常に短い文章が集められていて、バラエティに富んでいる。さすが、何を読んでもあいかわらず鋭い知性がきらきらと輝いているし、学識の広さに驚く。 巻末のほうには現代ギリシャ詩についても詳しく書かれている。 このように卓抜した知識と鋭利な思考をもっていながら、理論そのものに深入りせず、「臨床医」としてのスタンスを決して逸脱しないところが中井さんの凄さだ。「治療」という技術へすべて生かされてゆくのだから、精神医学上の多様な諸説も折衷的に取り入れられる。 こんなに該博でしかもバランスの取れたお医者さんも、そうそういないだろう。
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精神科医の著述集。各方面で発表した著述を取りまとめ、この本で1本化した。 精神病に関すること、学術論文、エッセイ、紀行文、詩の翻訳、などがある。
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